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戦争する国づくりを阻止する自治体へ

[講演] 戦争できる国づくりと地域、自治体
―― 自治体労働者は何をなすべきか ――

▲石垣空港でミサイルを運び込む米軍機

日本政府による「戦争できる国づくり」がすすめられるなか、戦後・被爆から80年の節目の今年、自治体労働者は何をなすべきか。自治体問題研究所理事長で奈良女子大学名誉教授の中山徹さんが解説しました(3月16日「戦後・被爆80年 平和のとりくみをすすめる交流集会」での講演より)。

軍事大国化する日本 変化する国と自治体の関係

中山さんは2015年の安全保障法制以降、急速に日本が軍事大国へ変化している流れを解説。「アメリカの軍事戦略に自衛隊が本格的に組み込まれている。ほかにもオーストラリアとの防衛協力や、日米豪や日米韓での共同訓練など多国間共同訓練も行われている」と新たな軍事ブロックが形成されていることに警鐘を鳴らします。

とくに2024年6月に地方自治法改正で国の自治体に対する「指示」が明記されたことで、「国と自治体の関係が対等平等から主従関係に変化していく。指示を出すのは、大規模な災害や感染症のまん延だけでなく、『国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生』または『発生する恐れがある場合』とある。地方制度調査会では、『自然災害』『感染症』『武力攻撃』の3類型を想定している。今回『武力攻撃』を念頭に置いた改正で、戦時体制をつくるには地方自治が障害だからだ」と指摘しました。

国の政策に対して地域と住民を守る対抗策を

中山さんは、「残念ながら少なくない自治体が戦争できる国づくりに追随している。なぜ自衛隊に名簿を提供するのか」と問題点を指摘。さらに「有事の際、攻撃目標になるだけでない。訓練時の事故、騒音や振動、米軍基地によるPFAS汚染も問題となっている。地域から平和、安全が奪われている」と訴えます。

一方、自治体で非核都市宣言や平和をすすめるための条例制定をしている事例、核ミサイルなどを搭載した艦船を入港させない非核神戸方式などを紹介(表参照)。「本来、自治体と国の両輪で、地域の平和と安全を守り、住民生活の向上、地域経済の活性化をすすめるべきだ。しかし、国がその立場に立たないのであれば、自治体は国の政策に対して地域と住民を守る対抗策を展開しなければならない」と自治体の役割を強調。「自治体職員はだれよりも住民や自治体の状況を把握している。住民自治を再生し、戦争する国づくりを阻止する自治体をつくっていくために、今こそ、自治体の労働組合として働きかけていくべきだ」と自治労連に期待を寄せました。

▲奈良女子大学名誉教授 中山 徹さん