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第131館 藤沢周平とその郷里をより深く味わう記念館

日本列島 おどろき・おもしろミュージアム2013年3月号 Vol.472

山形県鶴岡市 鶴岡市立藤沢周平記念館

藤沢周平とその郷里をより深く味わう記念館

 『暗殺の年輪』『蝉しぐれ』など、多数の作品を世に残し、日本を代表する時代小説家としてその名を知られる藤沢周平。1997年に死去した後も、数多くの人々にその作品とともに愛されています。その藤沢が生まれ育った山形県鶴岡市の中心部、鶴ヶ岡城跡に整備された鶴岡公園の一角に藤沢周平記念館が建設され、2010年4月に開館しました。  藤沢は上京後も郷里の鶴岡・庄内地方をこよなく愛し、作品にも大きな影響を与えました。藤沢没後、鶴岡に記念館を建設するにあたって、東京の旧藤沢邸から書斎を移したほか、旧藤沢邸の部材を使ったり、庭木を移したりしています。  記念館には「藤沢文学」の原風景である鶴岡・庄内の四季折々の風景を、藤沢作品の一説とともに紹介するコーナーや、「『藤沢文学』のすべて」として全出版作品の初版を展示するコーナー、誕生から作家になるまでの道のりや、家族のくらしについて紹介するコーナーなどが常設で展示され、書斎も再現されています。  また企画展示として、藤沢自身や作品について、テーマに応じた資料展示のほか朗読会や講演などのイベントも開催されています。生前に親交の篤かった劇作家の井上ひさしが、『蝉しぐれ』にもとづいて、作品の舞台となる「海坂(うなさか)藩」の地図を私的に作製したことは有名ですが、その地図が企画展示されたこともありました。  記念館は資料や書籍を閲覧するだけでなく、旧藤沢邸の屋根瓦を使った坪庭や、鶴岡公園の豊かな緑と静かな佇まいを館内から楽しむこともできます。またサロンでは藤沢作品を手にとって自由に読書を楽しむことができるほか、記念館図録や関連書籍を買い求めることもできます。  小さいながらも、藤沢文学をより深く味わうことができるように考えられており、ゆったりとした時間を過ごせます。

▲鶴岡公園の緑あふれる環境のなかに佇んでいます

▲鶴岡市の藤沢ゆかりの地の案内板が来訪者を小説の舞台へと誘います

 


ミュージアムメモ
所在地/ 〒997−0035 山形県鶴岡市馬場町4−6
電話/ 0235−29−1880
交通/ バス:JR鶴岡駅乗車「市役所前」下車後、徒歩3分
車:山形道鶴岡I.C.より約10分
開館時間/ 午前9時〜午後4時30分(受付終了)
休館日/ 月曜日※13年4月から水曜休館に変更
入場料/ 大人300円、高校・大学生200円、中学生以下無料
HP/ http://www.city.tsuruoka.yamagata.jp/