【シリーズ133】ボランティアで仲間とのつながり深められた
2011年8月号 Vol.453
京都・向日市職労 岩瀬 知紗(いわせ ちさ)さん
ボランティアで仲間とのつながり深められた
自治労連青年部は、5月26日〜30日に東日本大震災の青年ボランティア集中行動を提起、全国から集まった70人以上の青年たちのなかに岩瀬さんの姿がありました。「ガレキの灰色一色がどこまでも続いていました。撤去作業を進め、キレイになったと思い周りを見渡しても、どこを掃除したのか区別がつきません」と被災地の惨状を話します。加えて腐敗臭、潮のにおい…「しんどかったけれど、自治労連の仲間と一緒だったので乗り越えられたと思います」 岩瀬さんにとって、このボランティア行動は新しい出会いをもたらし、仲間とのつながりを深める経験となりました。しかし同時に、住民のために不眠不休で任務を遂行しながらも、復興の遅れにイラだつ住民の矢面に立たされるなど、被災地で働く自治体労働者の厳しい現実も知りました。「自らも被災しているのに…」話しながらだんだんと涙がこみ上げ、言葉をつまらせました。「そういうの、やりきれない。どうしたらいいんだろう?」明確な答えは見つかりません。それでも岩瀬さんの言葉の端々からは「仲間の存在が大きな力になる」という思いを強く感じ取ることができます。 岩瀬さんは保育士、そして向日市職労では青年部長を務めています。非常勤として雇用されていた期間がありましたが、京都自治労連の新田順一青年部長を始め、職場の保育士仲間たちがいつも気にかけ、仲良くしてくれました。そして「大好きな先輩たちや仲間がいる組合に私もいたい」と岩瀬さんも組合へ。「いろいろな単組の仲間と話すことで得るものがあったり、とりくみを通して仲間が増えたり、とても楽しい。組合は私にとって成長できる場所です」 ボランティア行動から戻り、「物や人とのつながりなど、何でも大切にしよう」と思うようになったと言う岩瀬さん。「私がボランティアでできたことはほんの少しだけれど、被災地で見たことや感じたことを一人でも多くの仲間に伝えたい。みんなの力を合わせれば大きくなるし、人の力ってすごいということ知ってもらいたい。これからもできることを、仲間と一緒にやっていきたいです」と、ますます発展途上中の岩瀬さんです。
▲子どもたちからは「岩瀬先生」と呼ばれています。子どもの話が出ると思わず笑顔に
▲京都からボランティアに参加した4人
(右から2人目が岩瀬さん)