【シリーズ137】バルーンアートで夢ふくらませ
2012年新年号 Vol.458
秋田・横手市職労 高橋 誠(たかはし まこと)さん
バルーンアートで夢ふくらませ
細長い風船に空気を入れて口を結び、ねじり、折り曲げ、いろいろな色の風船とからませる…この一連の流れで、さまざまなものが高橋さんの手から次々と生み出されていきます。 高橋さんは、増田町(当時)に入職時、「人前でできることを何かひとつ身につけなさい」と町長に言われ、始めたのがジャグリングとバルーンアートでした。「バスケットをやっていたので、ジャグリングでハンドリングがうまくなるかなという考えで。でも残ったのは風船の方だったんス」。話しながら手の動きは止まることなく、プードル、花、猫、アンパンマンなどを作り上げていきます。作ったことがないというものも、テキストを見ながらスイスイ、あっという間に完成です。 ねじり、からませた風船は、ゴムの摩擦が効き、そこから自然にはずれることはありません。しかし、時間が経てば空気が抜け、色もくすんでしまうため、ヘアスプレーでコーティングすることで防ぎます。 中学校の校務員をしている高橋さんにとって、12月はクリスマス用のデコレーション、3月には卒業生へのお祝いのアーチをつくることが毎年の定番イベント。つなげた風船を卒業生が喜んで持って行くのを見るのがうれしいと高橋さん。「作っている間が楽しいから、完成品は『自由に持っていって』という気分です。大作に挑むのはしんどいけど、完成したら達成感あるっスねー」とニコニコ。ではイベントのないシーズンは?「人から頼まれたものを作ったり、出かけた先でちょっと騒いでいる子どもがいたら、ちゃちゃっと作って『うるさいよ?はい』って渡しちゃう。そうすると喜んでくれるっス」と照れ笑いします。そのためにも、カバンには常に風船を入れていると言います。「子どもが大好きなんス。子どもに喜んでもらえることも、これを始めた大きな理由。自分が子どもっスから」 バルーンアートは作り置きができませんが、「作りたての美しさ」で見る人に楽しさや夢を与えてくれます。高橋さんは、これからもカバンにつめた色とりどりの風船で、大きな夢をふくらませてくれるでしょう。
▲クリスマス用の作品を前に「こんなかわいいの持って恥ずかしくね?」と高橋さん。トナカイの角には手袋を利用しています
▲制作中の高橋さん
▲組合の仲間の結婚式に作った卓上花。風船をふくらまさずに花びらを表現