【シリーズ146】感謝を奏でるチェリスト
2012年11月号 Vol.468
福島・二本松市職労 佐藤 興一(さとう こういち)さん
感謝を奏でるチェリスト
二本松市職労の書記長を務める佐藤興一さん。職場は福祉部門(生活保護担当)で忙しい毎日を過ごしています。
佐藤さんがチェロを始めたのは、大学のオーケストラ部に入部したのがきっかけ。高校時代は吹奏楽部でクラリネットを担当していました。いまでも2つの楽器を続けています。
佐藤さんには多くのオファーがあります。そのなかで彼が最も大切にするのは、地域に根ざして活動することです。地元の吹奏楽団に加わり、市民音楽フェスティバルや福祉施設での慰問演奏、地元高校の定期演奏会など、年間を通じて活動しています。遠くの誘いは、やんわりと断り、あくまでも二本松市を中心として演奏しています。二本松市の観光名所でもある霞ケ城公園での演奏会には、市観光課からも声がかかります。
演奏活動について家族は、「子どもが小さいのでもっと家にいてほしい」と辛口のコメント。でも演奏に出かける際は、笑顔で送り出してくれます。佐藤さんは、「休日に留守にすることが多いので申し訳ない。続けさせてもらって、本当に感謝、感謝」と話します。
憧れのステージを尋ねると、「あのステージに立ちたい!なんていう夢はありません。練習不足で、技量の貯金は使い果たしました。もうスッカラカンです」と笑います。
佐藤さんは、「音楽を通じて、普通に仕事をしているだけでは出会えない繋がりができた。本当に貴重だと思う。これは、組合活動でも同じ。職場のみんなは本当に忙しい。職場、家庭、地域でいろいろな役割を担っている。そんな状況でも、組合にかかわり、同じステージに立ってくれる。断る理由など、10も20もあるのに『しょうがねえな』と役員を引き受けてくれる。そういう仲間がいるから、仕事と組合と音楽を続けていけるのだと思う」と職場への感謝を忘れません。
「チェロとクラリネットに出会えたことは運命に近い。でもピアノやドラムもやってみたい」と今後の抱負も話してくれました。
そして最後に、「こんな自分で記事になりますか?」と心配してくれた心やさしい佐藤さんでした。
▲チェロを演奏する佐藤さん。こんな感じでやっています!
▲組合事務室では書記長の顔に