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第117館 憲法そっちのけで空自をアピールする広報施設

日本列島 おどろき・おもしろミュージアム2011年12月号 Vol.457

静岡県浜松市 航空自衛隊浜松広報館

憲法そっちのけで空自をアピールする広報施設

 周囲10キロにもおよぶ広大な浜松基地の敷地内に建つ、航空自衛隊浜松広報館は、航空自衛隊を国民に好意的に浸透させる目的で、1999年に開館しました。体験できるテーマパーク型博物館の体裁をした、全国唯一の航空自衛隊(空自)の広報施設で、「エアーパーク」と呼ばれています。  資料館には、現役あるいは使用されていた戦闘機などのほか、武装や装備などが展示され、また、非常に多数のパネルが動画付きで紹介されています。戦闘機の実機の展示のほか、機体に搭載するミサイルや爆弾、パトリオット等の地対空誘導弾、兵士の銃など、多くの兵器が展示されていますが、これが「殺人のための兵器」であることには触れていません。  こうした展示のほかに、ドーム型の全天周スクリーンを使った空撮映像シアターや、リアルタイムCGのフライトシミュレータ体験機など、「カッコよさ」を前面に出した広報が展開されています。  広報館の最大の特徴といえるのが展示格納庫です。ここには、過去に空自で使われていた機体を中心に約20機が展示されています。ブルーインパルス仕様のT2高等戦闘機や三菱零式艦上戦闘機(零戦)なども置かれ、一部はコックピットに着座することもできます。  単なる広報施設としてではなく、博物館としても充実していますが、全ての施設の利用料金が無料です。民主党政権の「事業仕分け」によって試験的に有料化されたことがありましたが、「利用者減」を理由に無料に戻ったといいます。  11年10月に来場者が400万人を超えたという広報館ですが、開館当初から戦争の恐ろしさや非人道性を伝えることなく、税金をふんだんに投入して、平和憲法をないがしろにした広報活動を行っています。そのうえ館内で自衛隊入隊の資料配布や募集まで行っていることに疑問や違和感を抱く国民が多いのも、また事実です。

▲戦闘機などのほか、ミサイルなどの兵器も多数展示されています

▲場内には自衛隊員の募集ポスターや資料配布コーナーなども

ミュージアムメモ
所在地/ 〒432−8551 静岡県浜松市西区西山町無番地
交通/ 自家用車…東名高速道路浜松西インターより約10分
開館時間/ 午前9時〜午後4時(入館は午後3時30分まで)
休館日/ 月曜日および毎月最終火曜日(祝日にあたる場合は翌日)
入場料/ 無料
問い合せ/ 053−472−1121
HP/ http://www.mod.go.jp/asdf/airpark/

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