メニュー

【シリーズ127】心もあったかタオル帽子を

My Way My Life2011年新年号 Vol.446

岩手・洋野町職 吉島 美樹子(よしじま みきこ)さん

心もあったかタオル帽子を

 「この帽子が、抗ガン剤治療などで脱毛した患者さんの心をやわらげ、少しでもつらい闘病の励みになれば…」と、手作りのタオル帽子について話す吉島美樹子さんは、岩手県洋野町で調理員をしています。吉島さんはとても明るく元気な方で、吉島さんの周りには常に笑顔があふれています。しかし、そんな吉島さんは、かつて血液のがんを患い、抗がん剤治療での脱毛を経験しています。
 吉島さんは8年前に『岩手ホスピスの会』を立ち上げました。「抗ガン剤治療で髪の抜ける母に何かしてあげられないか」と相談を受け、タオル帽子の作成を始めました。簡単に安く作れるタオル帽子は患者さんにとても重宝され、タオル帽子を送るだけでなく、作り方を広めたことでタオル帽子作りの活動は全国各地に広がりました。
 吉島さんは、「地域の方を巻き込んで患者さんや弱い人の視点にたち、サポートする活動こそ『地域住民の奉仕者、私たちがやらずして誰がやる!』との、一歩も譲れない信念があります。毎日の作業など大変なこともありますが、つらい、やめたいと思ったことは一度もありません。患者さんからの手紙を見ると、うれしくて涙がこみあげます」と話します。
 また「仲間と一緒に活動するすばらしさを教えてくれた組合での経験が、私の背中を押してくれます。組合活動はホスピス活動にも、とても活かされています」とも話します。
 最後に吉島さんは「全国の自治体労働者、特に自治体病院の方にこの活動を知ってもらい、ぜひ普及の窓口になってもらいたい」と話しました。その気持ちがタオル帽子を必要とするすべての患者さんに届きますように。活動に興味のある方はホームページをご覧ください。

▲患者さんにタオル帽子をクリスマスプレゼントするための梱包作業が終了し、「岩手ホスピスの会タオル帽子倶楽部」のみなさんと記念撮影

▲吉島美樹子さん

▲さまざまな色・柄のタオル帽子があります