第108館 生誕百年も「爆発だ」!?人類に平和のメッセージ
2011年新年号 Vol.446
東京都港区 岡本太郎記念館
生誕百年も「爆発だ」!?人類に平和のメッセージ
岡本太郎(1911〜1996)と言えばエネルギッシュなイメージですが、岡本太郎記念館は、ブティックなどが立ち並ぶおしゃれで静かな南青山に建つ、岡本太郎のアトリエだった建物です。 記念館はこじんまりした2階建て、玄関までのアプローチの右手が小さな庭で、木々の間に所狭しと太郎の作品が置かれており、来館者を明るく迎えてくれます。 玄関を入ると右手奥に2階まで吹き抜けのアトリエがあり、北向きの窓からの採光で明るく、床には絵の具が飛び散り、イーゼルにかけられた太郎の絵や、筆・ハケが置かれ、壁一面の収納棚にはたくさんのキャンバスが収まっています。 アトリエの手前の部屋は応接室だったのでしょうか。テーブルや椅子が置かれ、太郎の蝋人形や、「座ることを拒否する椅子」などの作品が展示されています。 2011年は生誕百年を迎え、3月8日から5月8日まで国立近代美術館で「好かれる芸術なんて本物じゃない」岡本太郎展が開催されます。 これに先がけ、太郎の最大・最高傑作、縦5・5メートル横30メートルの巨大壁画『明日の神話』が復元され、「誰もが観られるように」という太郎の遺志を継いで2008年、渋谷駅に恒久設置されました。 『明日の神話』は1968〜69年にメキシコの新築ホテルのロビーを飾るために描かれたものですが、ホテルが開業できなくなり、行方不明になっていました。太郎の秘書で養女の岡本敏子が、34年の歳月をかけて、ついに探し出したものです。 『明日の神話』は原爆をテーマにし、中央に原爆の火で燃え上がる骸骨がすっくと力強く立ち、困難に屈せず前進する人類に「負けないぞ」とメッセージを発しています。 記念館とは別に川崎市多摩区に川崎市岡本太郎美術館が1999年に開館し、太郎の作品が常設展示されています。
▲入口や壁からアーティスティックなオーラを放っています
▲渋谷駅に恒久設置されている巨大壁画『明日の神話』
ミュージアムメモ
所在地/ |
〒107−0062 東京都港区南青山6−1−19 |
問い合わせ/ |
03−3406−0801 |
交通/ |
地下鉄表参道駅から徒歩8分 |
観覧料/ |
一般600円、小学生300円 |
開館時間/ |
10時〜18時 |
休館日/ |
火曜日(祝日の場合は開館)、年末年始(12/28〜1/4)、保守点検日 |
ホームページ/ |
http://www.taro-okamoto.or.jp/ |