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機関紙『自治体の仲間』2012年 9月号 Vol.466 憲法・地方自治がいきる地域と日本めざそう

憲法・地方自治がいきる地域と日本めざそう

自治労連第34回定期大会 愛媛県松山市8月26日〜28日

「憲法と地方自治がいきる、地域と日本をめざし、共同を広げよう」のスローガンを掲げた自治労連第34回定期大会が、8月26日〜28日、松山市内で開催されました。大会は25日の補助組織・部会の事前会議を含め、のべ3200人が参加し、女性の代議員参加比率は、23.4%と昨年より2.5%増えました。

討論は3日間で75人が発言、地方組織・県事務所・単組から、方針を積極的に補強し豊かなものとする立場から発言が相次ぎました。最終日、2012年度運動方針をはじめ全議案が圧倒的多数の賛成で採択・承認されました。

▲元気よく大会討論への参加を訴える来年の開催地・千葉の仲間

野村幸裕中央執行委員長はあいさつで「これからの1年は新自由主義による構造改革と、憲法がいきる新しい福祉国家を求める国民との矛盾を打開する本格的たたかいが発展する可能性のある年」と述べ「2つの国政選挙を正面に据え、憲法を対抗軸に国民的共同を発展させよう」とよびかけました。8人の来賓から、激励と連帯のあいさつをいただき、新規加入組合6単組が満場の拍手で承認されました。
柴田英二副委員長が2012年度運動方針案などを提起。「安全・安心な地域づくりと原発ゼロのこの間のたたかい、政治と国民との矛盾の激化に対し草の根からの行動と国民的共同の広がりに確信を持って諸課題に自治労連の運動を発展させよう」と強調し、積極的な討論をよびかけました。
大会討論では、被災地での引き続く復旧・復興、原発ゼロをめざす各地での奮闘、橋下「維新の会」との原則的なたたかい、「修正新システム法」反対と新たな公的責任・公立保育所を守る運動、予算人員闘争、誇りと怒りの大運動、第4次中期計画達成に向けた組織拡大強化のとりくみなど、どの発言も自治体労働者の誇りと、「自治労連でよかった」と、確信に満ちたものでした。
総選挙も予想されるこの秋、自治労連運動のさらなる発揮の時です。

▲会場入口では満開のひまわりが出迎えてくれました

四国発☆現地歓迎行事
ようこそ伊予へ

初日の歓迎行事では徳島自治労連ゆかりの太鼓の会「こだぬき」の演奏。かわいいお子さんも登場しての阿波踊りや豊年太鼓、祭り囃子、三宅島太鼓で力強く迎えてくれました。
次に、伊予市にある無人駅「下灘」駅をパワーポイントで紹介。地域の人々が「夕焼けプラットホームコンサート」を毎年開き、全国からも人が集っているという心あたたまるエピソードを語ってくれました。

▲仲間と踊らにゃソンソン♪
(太鼓の会「こだぬき」)

▲「下灘」駅がい〜よ!
(伊予市職労・松本宏さん)

労働者・国民中心の新しい日本に転換する基礎づくりの1年に

執行委員長あいさつ(要旨)

代議員、傍聴のみなさんの日頃の運動に敬意を表するとともに、みなさんを送り出して頂いた職場のみなさまに感謝申しあげます。また、来賓のみなさま、ありがとうございます。
さて、この1年は「労働者・国民中心の新しい日本に転換する基礎づくりの1年」です。

第1に、新自由主義に対し、憲法に基づく福祉国家づくりのたたかいが発展する可能性のある年です。各電力会社・県庁前や首相官邸前での毎週デモなど一過性でない運動が各地で広がっています。民主党政治への怒りを結集して開催された7・16集会についてアメリカの新聞は「ソーシャルネットワークで集まった新しい集団と、全労連が連携して成功した」と報じました。私たちの長年のたたかいが質的にも量的にも高まる可能性を持っています。
第2に「誰が負担すべきか」を明確にし、地域に出て政策提起と実践、共同を拡大する1年です。
若者の雇用が悪化しています。1995年、当時の日経連「新時代の日本的経営」の内容を政府が法制化した結果です。国や自治体の役割は、経済格差を福祉や食料、環境、社会参加などの社会格差にしないため、税や社会保険料による所得の再配分をすることにあります。人員・予算要求闘争で地域に出て、住民とともに反転攻勢に出ましょう。
第3にこの間の成果です。現業職員や保育士などの数年ぶりの採用や非正規雇用労働者の経験加算給、雇い止め阻止などを実現しています。仕事への誇りを大切にし、「しゃべり場」など職場での話し合い、住民に仕事内容や思いを伝え、主権者である住民と共に築いた成果です。
組織拡大でも新入職員や非正規労働者だけでなく中立単組や自治労単組からの加入もありました。「誇りと怒りの大運動」を推進するとともに消防職員の組織化を具体化しましょう。
第4に、全員参加の運動です。力と知恵は職場と地域にあります。組合員が参加する体制と学習強化が基礎づくりの一歩です。学習計画を作り、参加型の運動を進めましょう。
第5に「大阪・維新の会」などを使った、公務員攻撃で民間労働者や住民と分断しようとしています。橋下氏は発令式で「公務員は市民に命令する立場」と訓示しました。住民は支配の対象ではありません。私たちは、構造改革の対抗軸である憲法を掲げ、分断には広範な労働者・国民との連帯で、感情的・抽象的な攻撃には冷静に具体的事実と要求を対峙して反撃していきます。公務員批判に対して「批判されたら、それは宣伝の絶好のチャンス」です。全労連に結集し、「対話と提言」運動を展開しましょう。
第6に、首長選挙とともに、衆・参議院選挙があります。住民・国民の意思が反映する政治を創ろうではありませんか。
労働組合として、組合員の思想信条の自由を保障するとともに、事実に基づき、組合員の心情に沿った説明と宣伝を行い、組合員の政治的議論を起こすことも重要です。
地道で、継続した運動を未来は決して裏切りません。
最後に、大会開催地の自治労連愛媛県本部のみなさまに改めて感謝します。ありがとうございます。

▲自治労連中央執行委員長
野村 幸裕

代議員の発言 全掲載

(要旨)敬称略

▲議長団
議事進行お疲れさまでした。左から岡部真聖子さん(神奈川)、西谷公成さん(愛媛)、西田郁子さん(三重)



整理解雇4要件を焦点に裁判闘争

西条市立周桑病院の指定管理にともなう分限免職撤回闘争では、分限免職取り消しを求め20人が、松山地方裁判所に提訴を行い、たたかってきた。10月の裁判で結審し年明けに判決が出る予定だ。この裁判は公務員労働者に「整理解雇の4要件」が適用されるかどうかのたたかいである。
また、8月7日、愛媛県自治体一般労働組合・西条支部を結成した。

▲佐伯 信雄(愛媛)

組合員の信頼と確信深め自治労連加入

労働条件改善を訴え、「白馬村社協労組」を結成。
上田市職労が自治労を脱退し、自治労連に加入することを決定した。全職場懇談会など、一人ひとりの組合員を大切にする組合運営と市職労運動をすすめてきたことが信頼を集め、自治労連への確信が深まった。
量から質への転換の下、4ケタ組織にふさわしい運動、強固な長野県自治労連へ奮闘する決意だ。

▲小林 正俊(長野)

3年連続で、現業職員を採用

墨田区職労は3年連続で土木事務所現業職員の採用を実現。労使協議で、自然災害時の緊急対応などでは直営の必要性、退職欠員補充の新規採用を確認してきた。「子ども子育て新システム」で東京自治労連は、保育闘争委員会を設置し、6次の行動計画を確立。ニュース配信や63万枚のビラ配布などにとりくんだ。

▲林 恵子(東京)

憲法が生きる安全・安心なまちづくり

「災害に強い自治体づくり」にとりくむなかで、職場に変化が生まれている。昨年、君津市職ではメニューの工夫などを当局に提案し、震災・計画停電中でも一日も休まず給食を提供した。また、浦安市長と千葉県本部の懇談をきっかけに、浦安市長や茨城県の潮来(いたこ)市長の呼びかけで、国の液状化被害認定基準が見直された。浦安市長は自治労連へ信頼を寄せている。

▲白鳥 裕一(千葉)

自治体労働者の奮闘で、真の復興めざす

「復興支援プロジェクト」のご支援に心から感謝したい。被災地は、「目に見える復興」にはまだまだというのが実感だ。
被災自治体は、全国から復興のために多くの派遣職員の方々によって支えられている。7月現在で派遣職員は241人に上り、復興へと動き始めている。「震災復興」の名のもとでの法令違反も是正させることができた。また、陸前高田市職労は1年5カ月かかったが、再建大会を果たした。

▲渡辺 孝文(岩手)

正規・非正規一体で保育にとりくむ

非正規も正規と同じ仕事をしていると均等待遇を要求。「実績のある非正規から正規の採用を」という強い支持のもと、正規保育士への道を開いてきた。待遇改善の難しさや、負担の重い正規への希望者が少ないなど壁はあるが、正規と非正規が一体で保育にとりくむ環境をつくる。子どものため新システム許さず、保護者からの期待に応えられる公立保育所をめざす。

▲石田奈緒美(兵庫)

地域主権改革に対し自治研活動が重要

安上がりの民間委託、指定管理者制度が、労働者の権利侵害、住民への人権侵害を引き起こしている。戸田市の学校用務員は、学校用務員業務の競争入札で最賃すれすれの賃金に。組合は公契約条例を求めていく。
地方自治を発展させる道は「地域主権改革」でなく、もうひとつの道があると、地方自治の現場からの具体的な提起と自治研活動が重要だ。9月、埼玉での全国自治研で会えることを楽しみにしている。

▲西口 哲之(埼玉)

単組のピンチを組織強化・拡大のチャンスに

2人の組合だった根洗学園が「解散したい」という話から、逆に21人に拡大した。劣悪な職場環境に対する「あきらめ」が組合に対する「期待」に変わった。変えたのは組織拡大専任者の熱意だ。
掛川と袋井の市立病院同士の合併で掛川病職の方針が揺れていたが、学習などによって自治労連に戻ってきた。先輩たちが勝ち取ってきた足跡・成果が明らかになったからだ。

▲菊池 智博(静岡)

府内全自治体に自治労連の旗を掲げる

与謝野町職の自治労連加入で京都自治労連全体が元気になっている。
京都自治労連は、与謝野町職に加入してもらおうと組織拡大専任者等による継続的な働きかけを行い、6年越しで今回の加入となった。これで京都北部の7市3町すべて自治労連単組となったが、府内全自治体に自治労連の旗を掲げることを目標にいっそう組織拡大にとりくむ決意だ。

▲松下 卓充(京都)

不当解雇撤回と神奈川臨調阻止

神奈川フィルでは賃金3割カット、夏冬の一時金は不支給、神奈川フィル分会を結成した。役員が解雇され、賃金の歩合制と出番ルールの変更で、賃金が半分以下になる。横浜地裁と地方労働委員会でたたかう。
県は県有239施設の全廃、補助金の廃止を発表。神奈川は財政力指数優等生だが、この財源を大企業のために使うことは、自治体の責務を放棄して県のあり方を変えるものだ。

▲杉田 厚(神奈川)

▲布施木憲次(神奈川)

賃下げ議員提案を再議ではねかえす

3月、労使合意を無視し、県議会で自民の議員提案による地域手当引き下げ条例が一度は可決されたが、滋賀県職は「労使交渉を経ない一方的改悪は許されない」と訴えてきた。知事は労使交渉に責任を持つ立場を表明し、県政史上初の「再議」を議会に求めて引き下げ案を否決した。このたたかいが組合の大切さを明らかにし、ここ数年で最高の組合加入に。

▲清水 庄次(滋賀)

7年間の粘り強いたたかいの経験を生かして

30年間の運動を積み重ねてきた広島市の保育関係者は、この7年間粘り強く民間移管問題反対を続けてきた。しかし、今年の2月、広島市は突然「ふくしま第2保育園を廃園する」と発表。
公立、私立の対立をあおらず、「公的保育を守る」という立場で、公私立の職員、保護者、研究者、労働組合が一体になって廃園問題に歯止めをかけたい。

▲高野由紀江(広島)

市民と共同広げる自治労連は宝

消費税増税と社会保障の大改悪、保育の市場化をねらう子ども・子育て新システムを押し返すために全力をあげてきた。たたかいのなか、自治労連は宝のよううな存在だと確信した。
市民と自治体労働者との分断攻撃に対して、命とくらし、人権が大切にされる街にしようというよびかけや情報発信、共同を広げる元気なとりくみを広げていこう。

▲塚本 紀子(愛知)

東海原発廃炉で運動を強化していく

笠松運動公園での「さよなら原発4・1大集会inいばらき」に約3000人が集まった。東海第2原発廃炉を訴える県内19団体による署名総数は約23万7000人分となった。
東海第2原発は首都圏唯一の原発であり、警戒区域には福島の10倍の71万人がくらしている。原発ゼロ・安全・安心な再生可能エネルギーへの転換めざし運動を強化していきたい。

▲飯島 紀幸(茨城)

市民、職員の要求実現へ橋下維新と真っ向勝負

思想調査アンケートは、職員の思想だけでなく、市民の思想をも調査する憲法違反の内容だ。おかしいことには声をあげる職場づくり、市長ではなく市民を向いて仕事をすすめていく。独裁者が嫌がる統一と団結が芽生えはじめ、厳しいなかでも組合員が増えている。橋下維新と真っ向から勝負できることに誇りを持ち、市民と職員の要求実現に向け、組織拡大も大いに奮闘する。

▲川本 正一(大阪)

地方組織確立を展望して

群馬自治体一般労組は、1年間の新規加入者が52人となり4分会が結成された。組合員数は152人と2年続けて純増だが、退職や雇い止め等で組合員を留めておく難しさがある。非正規や公務公共関連が中心のもとで、地方組織確立を展望し、単組のない自治体職場での管理職との懇談、組合員にビラや手紙を送っての説明会、アンケート活動等で拡大につなげたい。

▲宮内 政己(群馬)

核兵器をなくし原発ゼロをめざす

この夏、12年ぶりに「ピースラン」を開催した。国民平和大行進の県内通し行進、沖縄の訪問や笠岡市内の公共施設・地域の公民館等での原爆パネル展示などをすすめている。
岡山では日生町鹿久居島(ひなせちょうかくいじま)への原発建設計画を中止させた教訓を生かし、学習会やフィールドワーク、住民グループとの共同行動など原発ゼロをめざした運動をすすめている。

▲応本 誠志(岡山)

青年部の役割は「つながり」つくること

賃金をリアルな形で考えるよう工夫している報告や、つながりをつくる工夫、組合加入を進める、役員を増やすという視点からも発言があった。また「原発ゼロに向けて、学び、議論し、行動しよう」を運動方針とした。
来年5月に「自治体に働く青年のつどい」を岩手で開催する予定。大会発言を通して青年部の役割は「つながり」をつくることであると実感した。

▲松山 友幸(青年部)

男女共同参画へ柔軟な方針提起を

自治労連組織全体で男女平等を推進するため、男女共同参画計画の学習会を行った。自治体の非正規労働者の女性比率は8割で、非正規の問題は女性の問題。最賃闘争を重視し、学習会や署名にとりくんだ。「原発ゼロティッシュ」をつかい各地で宣伝行動。
また自治労連組合員の6割は女性だが、本部役員や大会への参加比率は2割。組織の構成実態に見合った参画のため、柔軟な方針の提起が必要と考える。

▲夏目みつ子(女性部)

現業職場の重要性を市民に広げる

被災地では、ごみ収集が民間委託が多く、直営でない問題点が浮き彫りに。用務委員会は、私たちの仕事を知ってもらうことが、新規採用や存続に繋がると発言。大阪は橋下・維新の会とのたたかいを。福岡は北九州市議会に現業職場を民間委託と嘱託化する答申が提出され、現業職場の重要性を市民に広げると発言。10・15現業統一闘争の成功に全力をあげる。

▲松本 英明(現業評)

エネルギー政策を提起し方針を実践

原発ゼロにむけ基本政策、短期・中期政策が必要だ。
(1)エネルギー自給率の向上、(2)大量消費社会からの脱却、(3)くらしに必要なエネルギーを利潤の対象としない、(4)新たな環境破壊をしない、(5)新たな格差が生まれないようにする、(6)新たな雇用を創出する、など基本的理念の法案も必要だ。自治労連の再生可能エネルギー政策に対する方針を実践していきたい。

▲石川 浩二(公営企業評)

雇用の安定と均等待遇の実現めざし

正規・非正規の割合が逆転している自治体が増えている。このようななか、「誇りと怒りの大運動2年次」でとりくんだ総務省署名は、7万筆を超え、前年を上回った。この間「雇用中断期間廃止」「一時金条例化」等の処遇改善運動のなか、2500人以上の仲間を増やした。全国の仲間とともに、「誇りと怒りの大運動3年次」をとりくむ決意である。

▲横江 厚子(非正規公共評)

県知事選と原発ゼロの一点共闘で奮闘

立地県初の県知事選挙では、反原発市民団体事務局長の向原祥隆候補が善戦した。現職知事は川内原発「増設手続き凍結」などで争点そらしを図り、九州電力は「計画停電時のご注意」はがきを全世帯に配布して、電力不足の脅しをかけた。鹿児島県労連は昨年の9・23県民集会から「3・11サヨナラ原発!かごしまパレード」を経て「原発をなくす県民の会」の一点共闘へと奮闘した。

▲鈴山 秀則(鹿児島)

改悪労働契約法は、公務公共職場にも影響

連日の相談に、公務公共の委託先の事例が増えている。ここには、できるだけ自治体当局も交渉の場に出させるようにしている。
改悪労働契約法で、5年雇い止めが一般化すれば、青年・非正規労働者は貧困に追い込まれ、労働組合のたたかいも厳しくなる。公務公共職場でも影響が出始めている。現場で活用できる対応方針を早急に練り上げる必要がある。

▲武田 敦(東京)

アンケートと自治労連共済で組織拡大!

現在は県事務所だが、大幅な組織拡大を実現して、一日も早く県組織を確立したい。
昨年12月、障害者福祉施設に組合支部が結成された。9月頃から組合説明会を行ってきたが、組合加入の最大のポイントは、他よりも優れている自治労連共済だった。非正規職員アンケートを通じて、組合加入の動きもあり、これからも自治体職場や関連施設へのとりくみを強めていきたい。

▲岩部 乃之(香川)

学習と拡大で次のステップへ

全国の仲間の激励を背に、要求前進、組織拡大をめざしてきた。分会員の多くが被災しながらがんばっている自治体一般石巻地域分会では震災に関わって、住民要求にどう応えるかを考える学習会を実施した。
参加者からは、「仕事を考えるよい機会となった」などの感想が出され、意義深い学習会となった。
学習を基礎に組織拡大でも大きく前進したい。

▲相澤 弘毅(宮城)

自治労連の存在意義示し組織を倍加へ

東濃一般労組は昨年大会以降80余人を拡大、倍加を勝ち取り、123人の組織となった。
新システム反対の運動は自治労連の存在意義を強烈に示した。学習会を何度も繰り返し、自治労組合員も参加し、感謝されるようになった。また市民病院でも諦めていた非正規看護師が怒りを力に交渉に参加、次々と要求を実現し7割弱が組合に加入している。

▲大内 昌宏(岐阜)

職場からつくる防災まちづくり

防災まちづくり運動の調査や市民の声から改めて強く感じたのは「住民のいのちを守る」という私たちの仕事の重大さだ。耐震化や緊急人員配置が不十分であれば、それは市民のいのちを切り捨てることにつながる。職場の防災体制アンケートでは、「責任ある仕事がしたい」との声がある。今後も仕事に誇りをもち「安心安全のまちづくり」にとりくんでいく。

▲渡辺 真千(大阪)

原発に頼らない安全・安心の町づくりめざす

福井は全国の原発50基中14基が集中しているが、原発ゼロ、再稼働反対の住民運動が広がっている。
活断層について再調査が決まった。ひとたび事故が起これば、近隣の滋賀、京都、琵琶湖などに大きな被害をもたらす。
原発ゼロ、再生可能エネルギーへの転換をたゆまなく続け、財政分析などにとりくみ、原発に頼らない町づくりへの運動をすすめる。

▲加藤 武市(福井)

公務員攻撃をはね返す土台は職場からの団結

公務員攻撃をはね返すには、(1)団結した職場作りを進め、職場を基礎にした運動を大事に組合の役割を組合員にPRする。(2)仕事の見直し、改善を図りその頑張りを住民に伝える。(3)賃金・権利問題は全労働者への攻撃であることを組合員に伝え、最賃、賃金底上げ等に力を入れる。(4)「公務員攻撃」を進める悪政を切り替えることだ。

▲長坂 圭造(愛知)

民間委託阻止に向け仲間を増やす

北九州市の学校給食は、平成24年度から嘱託制度が変更され、全非正規労働者が1年雇用のパートになった。収入は安定したが、「4年雇い止め」は阻止できなかった。
北九州市の学校給食は民間委託が6割、まだまだ拡大されようとしている。学校給食を守るためには仲間を増やし、団結してがんばるしかない。雇い止め、民間委託阻止を大きな運動にしていこう。

▲津留 幸子(福岡)

生活保護の職場分会で人材育成を要求

宇治市の生活保護の職場で今年3月、生活保護の申請時に根拠のない不適切な誓約書を提出させていたという問題が発生した。市職労は、「誓約書は誤りであり、誤りは正すべき」という立場で、職場では業務として連続学習会を行い、分会では、分会要求書で、長期の経験を持つケースワーカーの配置や、総合的な研修の充実など人材育成を要求することにしている。

▲谷上 晴彦(京都)

国の「構造改革」の誤りが大震災で明白に

大震災で、職員は自ら被災しながらも、住民のいのちと健康を守ろうと懸命に奮闘。国の集中改革プランで、10年間で92人も正規が削減され、職員が不足。大震災で構造改革の誤りが明白に。7月の団交は、人員不足への対応と計画的な採用を要求し、当局から職員募集15人と示された。要求した職種の募集など前進した。「職場を基礎に、住民のために、住民とともに」団結してとりくむ。

▲金野 道程(岩手)

地方財政拡充に向けた運動を

鎌倉市の4年間10%の賃下げ提案を平均7.75%まで押し返した。(1)地方財政計画や税財政制度等を労使間で勉強会を行い、自治体としての提言をめざすこと、(2)住民本位で効率的な予算運用は、労使協議で検討していくことを当局と確認。住民サービス実現を阻むのは人件費でなく地方財政の縮小と不公平税制や雇用政策と悪政だ。地方財政拡充させる運動が必要。

▲芳賀 秀友(神奈川)

憲法キャラバンが運動前進の力に

みえ自治労連は憲法キャラバンを重視してとりくんできた。とりくみの結果、保育では「新システム反対」署名が8万筆を超える大きな運動をつくりあげた。これも「民間保育園に支援を」と自治体懇談会で要望するなかで自治労連加入の民間園労組を増やした結果だ。今年の憲法キャラバンは防災と原発中心に30自治体全部と17自治体病院全部を訪問し、懇談する。

▲加納眞理子(三重)

社協職場の組織化を旺盛に

横浜町社協では組合結成で、臨時職員に6月の一時金を支給させ、1年先の解雇予告を撤回させた。組合のこと、自治労連共済のことを丁寧に話すなかで拡大が進み、3分の1の組織率と二桁の組合員を組織した。「新たな組織拡大専任者制度」案では、1人に減らすとされているが、1人では拡大は困難。小さな地方組織にはもっと多い配置を訴える。

▲川村 優子(青森)

組合結成で雇用中断期間の撤廃を実現

高知では2010年の要求アンケートをふまえ、非正規の均等待遇実現、組合加入に向けてとりくんでいる。雇用中断撤廃と賃金改善の要求で公務公共一般四万十町医療分会を結成。交渉で「13年4月から町全職員の雇用中断期間廃止」や「直雇用に転換」などの回答を引き出した。正規も非正規もともに雇用されている仲間としてたたかいを展開しよう。

▲高月 陽生(高知)

あの頃の福島に戻るまでがんばる

福島市では、学校の除染も進み、昨年使用できなかった屋外プールにも子どもたちの笑顔と歓声が戻ってきた。一日も早い除染で、安心して暮らせる「あの頃の福島」に戻れるようにがんばっていきたい。
ごみ収集会社の労働者が公務公共一般労組に加入した。労働者を見下した経営者側への怒りで、労働者が団結した。この支部をしっかりと支え、組織拡大をめざしていきたい。

▲佐藤 興一(福島)

教訓と学びでまちづくりと次世代の組織拡大を

昨年の台風12号災害では、全国からの支援に厚くお礼を申しあげる。
今回の災害によって、農村部の集落は過疎化に拍車がかかっている。そこで、「自然災害に備えたまちをつくろう」とシンポジウムを開催した。
また、青年・次世代のとりくみでは、職場、単組、府県を越えたつながりを大切にし、さらに継続的によびかけていきたい。

▲杉谷 尚(和歌山)

組織目標達成と学習強化を

組織は一進一退だったが、全国のとりくみに学び、専従と組織拡大専任者、協力員の9人態勢、待ちの姿勢から外に打って出る活動、「種まき作戦」などで、この1年に132人の組合員を拡大できた。
また学習研究、住民との共同を通じて、夢を語ることができる自治体労働者を増やしていきたい。

▲船越 昌一(徳島)

職場の困難を打開する2つの方向

長崎市ではこの5年間で723人が削減され、市当局は今後5年間でさらに267人の職員削減を計画。長期病気休暇の原因は8割がメンタル。人員削減が職場、職員に困難と分断を生む悪循環に。
事態を打開する方向は2つ。1つは職場の怒りが顕在化する動き。もうひとつは、アジサイ革命と呼ばれる地域での動きだ。これらの動きを組合員、地域に広げ、奮闘する。

▲里 正善(長崎)

新システム反対を地域ぐるみで

昨年秋、「新システム反対」の講演会を、子どもに関わる地域の労働組合で実行委員会をつくりとりくんだ。山口自治労連と組織拡大専任者の奮闘で組合が増えたことが背景にある。保育園支部は私立保育園にもよびかけ、200人もの参加があった。また7月22日のオスプレイ配備反対集会はマスコミに取り上げられた。現在までテストも含め飛行をさせていない。

▲村川 馨(山口)

再稼動阻止、原発ゼロ運動にとりくむ

昨年、九電やらせメール事件が発覚。玄海原発1号機は37年目の運転で、脆性破壊を引き起こす危険性を専門家が指摘。事故が起きてからでは取り返しがつかない。老朽化した原発が増えるにつれ全原発の脆弱化を正しく把握し、地域に伝えていく必要がある。唐津市労連は「原発なくそう!九州玄海訴訟」にとりくみ再稼動阻止、原発ゼロ運動をすすめていく。

▲家永 憲成(佐賀)

地域医療を守り拡充するために

国が2013年度から「二次医療圏の設定」などの基準見直しを検討していることから要請を行った。二次医療圏内が広がると道内の医療状況はさらに深刻になる。3月の道議会では「自主的設定」を求める国への意見書が可決、根室市議会でも意見書が採択された。住民がどこに住んでいても必要な医療が受けられる計画づくりと、地域医療拡充のために奮闘する。

▲矢萩 紀明(北海道)

住民との共同を飛躍的に広げ、組織拡大を

昨年10月にTPP交渉参加反対の県大会、3月には県農協中央会などのフォーラムが開催され、県労連や県下自治体なども協力し、1000人超の参加で成功した。
増税と社会保障の一体改悪とのたたかいは、3月に学習会、6月に県民集会を開催した。今後の反撃の運動で住民との共同を飛躍的に広げ、組織拡大を大きく前進させる決意だ。

▲林 美保子(鳥取)

児童福祉法24条で保育実施義務を確認

「子ども・子育て新システム」とのたたかいは、関連3法案が可決され、今後の運動が問われている。保育を受ける権利を後退させず、保育労働者の労働条件を追求するため、児童福祉法24条で自治体の保育実施義務を確認し、自治体へ要請し懇談することが大事。
来年、千葉で開催される全国保育集会では、各地の実践を持ち寄り、大いに学び、交流する場にしたい。

▲黄木祥久子(千葉)

消費税増税止める地域からの共同を

消費税増税問題は、医師会などがこぞって危惧を表明している。保険診療分は病院負担であり、1病院当たり年間平均1憶2000万円の負担だ。10%になったら経営も一気に立ち行かなくなる。増税をやめさせ、消費税廃止をめざして病院当局や院長などとの共同の展望と可能性がある。地域の人口減イコール患者の減、地域経済の維持と合わせて運動を進めていく。

▲高橋 功(秋田)

正規と統一要求で待遇改善求める

自治体に非正規職員の賃金労働条件実態調査を依頼し県内23市中19市から回答があった。水準の高い自治体を基準に改善を求める。
秋季年末闘争で正規と非正規で県内統一要求書を作成し、同時の提出・回答・決着をめざす。昨年の最低生計費試算の結果を根拠に、非正規の基準となる法の確立、最低賃金の引き上げ、公契約条例などにとりくんでいく。

▲青池 則男(静岡)

都民とともにたたかい独法化断念に追い込む

石原知事が就任後、16の都立病院の公社化、統廃合、民間売却などの大リストラ攻撃が進められてきた。この間、患者や地域住民とともに都立病院を守る会等をつくり、都民とともに大運動を進めた結果、独法化方針を断念させる状況まで追い込むことができた。都民の命の砦となる都立病院を直営で充実・発展させるため、さらに運動を強める。

▲高柳 京子(東京)

職場から仕事を見直し、府民要求実現の先頭に

大阪府職労は職場活動を重視し、組織拡大にとりくんできた。橋下府政と真正面からたたかう府職労への信頼と期待が組合加入につながっている。
強行された職員基本条例のもと、「職場から仕事を見直す」運動にとりくんだ。運動を通じて学習し、政策要求づくりを行っていく。
府民要求実現と働くルールの確立をめざす運動の先頭に立って奮闘する。

▲前田 治敏(大阪)

構えと実践を重視して増勢実現

春の拡大月間は、実質増勢となった。退職という自然減もあるが、当局などからの組織攻撃もある。昨年は4単組、2分会を県本部に迎えた。対象者と担当者を決めて、具体的にとりくんできた。新採説明会などでは、職場と仕事を語り、働きがいや生きがいなどを感じることで、職員の意識は高まる。また、組織拡大に自治労連共済は不可欠で、大幅前進を実現した。

▲懸谷 一(福岡)

展望がもてる事業にするためのとりくみを

今年3月、広島自治労連は、非正規公共評を立ち上げた。県全体を網羅した非正規公共評はどんな運動をするのかを追求したい。
指定管理者選定に向けたとりくみでは、7年かけて本俸とボーナスの2割カットを指定管理者制度導入前のレベルに戻させた経験を生かした要求運動と、再任用職員の適正配置を求め、展望がもてる事業にしていけるよう要求していく。

▲中村花央里(広島)

大幅賃上げ、人員増を掲げるとき

賃上げや人員増は職場の切実な要求になっている。大幅賃上げ要求を高く掲げる時だ。大幅賃上げと結合することによって賃金底上げのたたかいの展望も開ける。
茨城自治労連と単組にも変化の兆しが見えてきた。こうした変化を確信として、組合員を主人公に日常活動を活性化させ、秋からのたたかいに全力を尽くすことを決意する。

▲鯉沼 康浩(茨城)

一点共同を発展させ重層的共同へ

3月11日の「ばいばい原発・守ろうびわ湖」共同行動は1000人を超えた。滋賀県は敦賀原発から13キロに位置し、原発事故が起きれば災害地元県となり、近畿の水がめ琵琶湖も甚大な被害を受ける。同じくTPPの県民会議の結成、「こんな時に消費税10%増税は許せない」の一点共同。今後「重層的共同」への転換を追求し、組合員要求の前進を図っていきたい。

▲今村 伸治(滋賀)

働き続けられる職場体制の確立へ

組織拡大について。松山市では現業採用要求等とあわせ、職場からの声かけで16人の加入を勝ち取り、共済でも組合員自らパンフレットを持ち帰るなど加入が進んだ。
過労自殺問題について。長時間過密労働が続き、就職わずか5カ月、22歳で命を絶つ事件が起きた。職員の業務実態に目を向けない市当局の責任追及、公務災害認定に向け、ご遺族の意思を尊重しながらとりくんでいく。

▲堀内 敏徳(愛媛)

自治研全国集会の成功へ奮闘

春闘では、国公賃下げの違憲的性格と道理のなさを交渉で主張し、全県に削減しづらい世論をつくった。こうした交渉の実践を通し、県本部や単組における交渉力向上につながった。
9月29・30日の「地方自治研究全国集会」成功に向け、仕事と住民サービスに向き合う自治労連の姿を職場に見せ、組織拡大や諸団体、住民との結びつきを強めていく。

▲畔上 勝彦(埼玉)

力と知恵は地域に「対話と提言」の運動を

2年にわたり、とりくんでいる市内の中小企業実態調査で、回答のあった製造業724カ所から厳しい実態と要望が見えてきた。この秋、再び市民と対話するとりくみを計画している。
名古屋には各区に活動センターがあり、このセンターでのつながりが地域の宝だ。力と知恵は地域にある。地域の絆を強くし、今年も「対話と提言」の運動を実践していきたい。

▲武藤 貴子(愛知)

最賃・公契約を軸に運動する

宝塚市水道検針員労働組合が7月に結成された。民間委託後に、検針員の年収が大幅に減り、労災や社保も除外とされ、雇用継続も不安だった。結成後に市上下水道局や会社と交渉など行って改善の回答もさせている。
今後も「自治体ワーキングプアをつくるな」の世論と運動を広げ、労働者に適正な賃金・労働条件が保障されるよう最賃・公契約を軸に運動する決意だ。

▲一ノ瀬達也(兵庫)

TPP参加反対へ地域から運動広げる

国民のいのちやくらし、地域経済を破壊するTPPに反対するため県民会議を発足させ、地域から反対の世論を広げていくことが大事になっている。
原発や消費税に比べ、TPP反対への世論の反応が薄いなか、「地域の会」の設立や宣伝行動などを重ね、住民の反応も良くなってきた。立ち直りを見せる被災地域へ精神的・経済的に打撃を与えるTPPを断念させるため、その先頭に立ってたたかう。

▲熊谷 公彦(岩手)

小さくても輝きたい地方組織支援に期待

大和郡山市学校給食調理員労組が加入承認された。市当局が小学校給食調理の民間委託を表明。県本部は住民に呼びかけ「より良い学校給食を求める会」を結成。全戸配布や給食祭りにとりくむ。清掃関連では、非正規からの声かけで業務の改善を実現し、職員3人採用の回答を引き出した。組合員500人の小さくても輝きたい地方組織を支援していただきたい。

▲中村 篤子(奈良)

基地廃止・オスプレイ阻止・安保条約破棄を

第1号議案「日米安保体制と財界本位の政治からの脱却を正面に掲げ、たたかおう」に賛成する。オスプレイ配備、TPP、消費税、福祉切り捨てなど、日本の平和と安全、国民のくらし、働く者の権利を守るには、根本にある安保条約をなくすことが一番だ。山口とともにオール沖縄で基地廃止、オスプレイ阻止でたたかう。9月9日県民大会に全国の支援をお願いする。

▲上里 清美(沖縄)

要求実現と組織拡大さらに奮闘

横浜市従は、保健職場での栄養士の減員提案に対し、運動で断念に追い込み、今年採用試験実施との回答を引き出した。生活保護職場への警察官OB配置に対し、直ちに問題点を明らかにし、撤回を求め生健会等と共同行動にとりくみ、警察官OBの雇用中止はできなかったが、窓口配置を阻止した。要求実現と組織拡大でさらに奮闘する。

▲尾崎 秀敏(神奈川)

原発ゼロ、再生可能エネルギー転換を

原発ゼロに向け「ひまわり集会」を2回開催した。憲法キャラバンでは、浜岡廃炉を主張するだけでなく自治体が再生可能エネルギーを普及すべきと訴えると好感をもたれる。「再稼働反対アクション@静岡」をよびかけ、県内5カ所で毎週金曜日に集まっている。フェイスブックからの参加者は社会運動の新しいスタイル。私たちのものにし、全国に広めていくべきだ。

▲林 克(静岡)

昨年上回る拡大で増勢の展望示す

千葉県本部は、この春・夏で拡大が昨年度よりも100人近く多く、増勢に転じる展望を示したが、拡大が困難な単組もある。単組激励や県労働学校の交流会も検討してほしい。
14年10月と15年4月の消費税増税を許さないたたかいのため、職場での討論と合意形成が必要だ。千葉県本部でも学習を強め、社会的影響力を発揮できる組織づくりに奮闘したい。

▲竹内 敏昭(千葉)

脱原発で市民のいのちとくらしを守る

舞鶴市は、高浜原発と大飯原発に近い。高浜で事故が発生した場合は、全市民をバスなどで市外に避難させる計画だが、京都府内にそれだけのバスはない。脱原発以外に市民の安全は守る方法はない。おおい町では、一般会計歳入の約半分が原発関連だ。立地自治体にとって原発は経済問題の要素が強い。脱原発でも自立できる政策提言に向け、とりくみを始めている。

▲杉本 保(京都)

生計費原則での賃金確保を

家計簿調査で切実な声が出た。「標準生計費」との比較で問題点を明らかにし、60歳以降の生計費の調査も必要だ。生計費原則に立った賃金確保を求めていく。
自治体労働者の役割、市政を市民とともに考える自治研活動が重要だ。県、岡山市、倉敷市等で「市民のつどい」を開催している。地方自治研究全国集会に多数参加し学びたい。10月の県知事選挙を全力でたたかう。

▲田中 純子(岡山)

組織強化拡大で県本部は先頭に立つ

刈谷市過労死裁判は上告審となった。引き続き支援をお願いしたい。
業務の増大や活動家の退職によって職場活動が困難になっているが、県本部は学習援助と対話を中心に先頭に立ち、組織を強化し、職場が元気に全員参加型―みんなで要求、みんなで討論、みんなで行動―の組合運動ができるようにしていきたい。要求実現の力、拡大でも増勢に転じたい。

▲林 達也(愛知)

正規、非正規の共同のたたかいを

多摩市教育委員会が13年度を目途に調理業務等の民間委託をねらっている。委託だと時給が請負契約の最低賃金にまで低下しかねない。公契約条例が民間委託推進の道具にされようとしている。
委託などによる公務職場の縮小を許さず、「雇用を守り、首切りを許さない」の一致点で、正規と非正規それぞれの組合員の雇用と職場を確保する共同のたたかいを発展させたい。

▲田原 聖子(東京)

憲法理念つらぬき、強く大きな自治労連を

財界の巻き返しの情勢のなかでどうたたかうか。1つは大会方針を太く貫く憲法をすべてのとりくみで位置づける、2つは社会保障闘争の強化で生存権を保障する、3つに自治労連を強く大きくする。それが新自由主義を打ち破る確かな力になる。自治労連の値打ちを自覚し、意気高く立ち上がり、堂々とたたかおう。「ハシズム」に一歩も引かずたたかう決意だ。

▲荒田 功(大阪)

輝く自治労連の姿を確信に運動・組織を発展させよう

総括答弁(要旨)

全体で75人(財政小委員会の6人を含む)が討論に参加、うち女性の発言は19人(25.3%)。代議員の女性比率は23.4%であり、この間を上回る到達となった。特別の財政措置を実施したが、その趣旨をくんだ地方での努力で前進できた。

 

討論では、民主党政権が悪政推進に舵を切るなかで、従来にない国民的共同と運動が広がり、それを支える自治労連の姿が浮かび上がった。また、自治体・公務公共労働者を「時の権力者への奉仕者」に変質させる攻撃に対し、ひるみやたじろぎを跳ね返し、自治体・公務公共の値打ちと役割を攻勢的に押し出す決意に満ちた発言が相次いだ。
意見や要望に関わって、執行委員会としての考え方を述べる。
「憲法キャラバン」を、すべての地方で年間サイクルに位置づけ「自治労連の存在を押し出す戦略的課題」として追求する。
労働契約法の改悪に連動した「任期付き短時間勤務職員」制度の押しつけについては、3月の自治労連の春闘交渉で、総務省が「要件は法律で規定されている」としており、濫用は許されない。
消費税増税の具体化を許さないとりくみでは、全労連で提起されている「消費税増税阻止署名(仮称)」に基づく地域での共同を広げる。
「子ども・子育て新システム」とのたたかいでは、修正法強行をふまえ、公的保育の確保に関わる国・自治体の役割を追求し、具体化を許さないとりくみを進める。
「対話と提言の運動」では、分断を乗り越えるとりくみとして中小企業アンケートや住民アンケートなど組合員が直接地域に入る運動が極めて重要だ。
予算人員闘争では、現業職場の値打ちや仕事をしっかり押し出して、新規採用を勝ち取る実践が述べられた。この秋、従来の現業署名を「住民のための公共サービス確保とその体制整備を求める」内容としてとりくむ。
被災地の復旧・復興では、安定的な職員確保がされない中で、被災地自治体職員はもちろん、応援に入る職員にも負担がのしかかっている。住民本位の復興を進めるためにも、国の責任と負担で施策と必要な人員確保を求めることが重要だ。
原発ゼロ・再生可能エネルギーへの転換求める課題では、「原発ゼロ」の国民的共同の推進とともに「自治労連の提案」を活用し、地域での対話・合意づくりを進めよう。
賃金闘争に関わっては、「国追随の賃下げ許さない」「55歳昇給停止阻止」「退職手当大幅削減阻止」「定年延長を展望した再任用の義務化」などが焦点となる。方針の具体化は、9月13日の拡大全国代表者会議、および、9月28日の12賃金確定勝利に向けた学習・意思統一集会でより明確にする。
「誇りと怒りの大運動」3年次のとりくみでは、「国会要請署名」に切り替える。組織内はもちろん、大いに地域にふみ出して進めよう。
組織の拡大・強化のとりくみでは、自治労連運動への確信と実践のなかから、自治労連加入の選択が生まれていることが明らかになった。引き続きこうした働きかけを進めよう。
討論のなかで豊かにしていただいた方針の実践で、自治労連の運動と組織を大きく発展させよう。

▲書記長 猿橋 均

自治労連の風になってがんばります

新規加入組合紹介

自治労連第34回定期大会において、6つの組合が仲間入りしました。
「はたらきやすい職場にしたい」「生活できる賃金に」など、要求実現に向けた決意を胸に、自治労連の新たな力となって全国の仲間とともにがんばります。

 

ようこそ、自治労連へ!

▲大きな拍手で迎えられてあいさつする新規加入組合の仲間

青 森
つがる西北五広域(せいほくごこういき)連合職員労働組合

ともに喜び、ともに苦しみ邁進する

職員が充実感を持ち働ける職場、地域住民が安心して受診、入院できる基幹病院をつくります。みなさんとともに喜び、ともに苦しみ、邁進していきます。
最後に正岡子規生誕の地で、川柳を一句。「ひゅるり ひゅるひゅる 自治労連の風になる」

▲内山宏執行委員長

長 野
白馬(はくば)村社会福祉協議会職員労働組合

みんなで力を合わせ要求実現を

1998年に冬季オリンピックがあった白馬村から来ました。私たちはわずか9人の小さい組合です。組合をつくるきっかけは、昇給停止やカットが続き、個別に上司に交渉しても変わらず、みんなで力を合わせ、組合をつくるしかないと考えました。これからはしっかり勉強して要求実現につなげたいと思います。

▲松沢美佳書記長(右)、西沢千賀子委員長(中)、松沢勝江監査委員(左)

京 都
与謝野(よさの)町職員組合

加入してよかったと思える活動を

与謝野町職は町の合併後、上部組織がありませんでしたが、このたび自治労連加入となりました。これを契機にさまざまな活動や学習会を通じ、組合員一人ひとりのスキルアップを図っていきたいです。「あのときの判断は正しかった」と全組合員が思えるよう、全国の自治労連の仲間と手をたずさえ、がんばっていきます。

▲小西哲夫情宣部長(右)、市田桂一書記長(中)、引野浩明財政部長(左)

奈 良
大和郡山市学校給食調理員労働組合

自らを守るために自治労連に加入

これまで奈労連の後ろについていくばかりでしたが、民間委託問題が出されたことで、「がんばるぞ!」という力が湧き、組合を結成し、自治労連加入を決めました。自治労連の旗に恥じないようにがんばる決意です。

▲松尾勝子(かつこ)執行委員(左)、福永一義(かずよし)奈良関連協議長(右)

兵 庫
エコシティサービス宝塚市水道検針員労働組合

団結して安心して働ける条件に

宝塚市水道局が、検針業務を民間業者に委託したことで、私たちの賃金は年収約250万円から100万円に大幅にカットされました。「せめてダブルワークで生活できる賃金に!」と7月に組合を結成しました。有給休暇を初めての交渉で勝ち取り、手ごたえを感じています。一致団結してがんばりたいです。

▲寺田耕二書記長(左)、大嶋克弘委員長(右)

愛 媛
市立宇和島(しりつうわじま)病院労働組合

地元に根ざした組合運動を

市立宇和島病院は市民の会とともに、公営企業法全部適用反対運動を展開。全部適用になりましたが、すぐに労働組合を結成しました。各種協定の締結、時間外手当不払い解消、非正規職員の賃金改善などを実現させました。地元の看護学校を卒業し、地元の病院で働き、今後も地元に根ざした運動をやっていきます。

▲谷本信子女性部長(左)、稲垣章視(あやみ)委員長(右)

大会に参加して

その1

新しい仲間に力もらう

初日の新規加入承認が印象的でした。公務員バッシングのなかで、新しく加わる仲間に元気と力をもらい、自分たちの運動は間違っていないと確信を持つことができました。大会参加で四国一周もでき、夢が叶いました。

▼全文を読む

▲大阪・泉佐野市職労
文野(ぶんの) 雅代書記長
文野さんと大阪の仲間。富田林市職労・松本茂典さん(左)、守口市職労・藤木壮さん(右)

その2

これからも決意と構えを大切に!

退職間近ですが、久しぶりに全国大会に参加しました。統一労組懇、自治体連絡協、そして自治労連と、この30年の月日を感じています。昔のように「賃金は自らが決める!」という強い姿勢と学習が大切だと思います。

▲福島・郡山市職労
河崎 茂俊副委員長

その3

来年は千葉へいらっしゃ〜い

大会には過去5回ぐらい参加しています。私は現業評議会で役員をしていますが、みなさん厳しい環境のなかで奮闘していると思いました。来年の大会は千葉県開催です。愛媛に負けないくらいおいしい食べ物がたくさんありますので、楽しみにしてください。

▲千葉・館山市職
井上 武さん

大会ピンスポ

速報班

愛媛の「マドンナ」、会場をかけめぐる

会場の雰囲気や会議の様子を参加者に伝える大会速報は、「13人のマドンナ」こと愛媛県本部の女性書記のみなさんが交代で担当しました。背中にはナンバーも。最初は「取材って何を聞けば…」と言っていたスタッフも、その場になれば積極的に大活躍。写真を撮り、取材をしては場内を縦横にかけめぐり、県本部に戻っては編集作業で夜中まで大忙しの毎日でした。

 

▲県本部で作業中のみなさん全9号を発行

▲背番号が会場を躍りました

番外編

「坊ちゃん列車」が行く

「乗り込んでみるとマッチ箱のような汽車だ…」。漱石の小説『坊ちゃん』に登場する蒸気機関車が「坊ちゃん列車」として復元され、松山市内の路面電車区間を約1時間おきに走っています。伊予鉄道が明治21年、日本初の軽便鉄道として松山〜三津を運航し、67年間を走り続けた機関車は、2001年に復元され、今では松山市内観光の名物として、古き良き時代を乗せて走ります。

▲新型電車と並んで(松山市駅)

女性参画

女性参加率、上げました
静岡自治労連

女性の参加率アップの期待のなか、静岡自治労連は当面の目標25%を上回る30%を達成。参加率アップの理由を聞くと、「もちろん私たち女性ががんばっているから」「給食・保育士・看護師・看護助手・非正規など職種ごとに出てもらった結果かな」「県本部の若い男性たちが励ましてくれる」と、自然体でとりくんできました。来年はさらに参加者が増えるといいですね。


物産展

愛媛県の魅力いっぱい!大賑わい

全国の仲間に愛媛県の名産物を堪能してもらおうと、大会期間中、物産展が開かれました。手触りの良いふかふかの「いまばりタオル」や地元漁協女性部の手作り「じゃこ天」など、全国的にも有名な物産を販売。「質が良くお値打ちですよ」の売り声に、「お土産に」と続々と売れていきます。お昼の休憩時は、訪れる人で展示室はいっぱい。身動きが取れないくらいの盛況ぶりでした。


番外編

日本最古の温泉は最高

松山といえば日本最古3000年の歴史を誇る道後温泉。それを代表するのが「道後温泉本館」。1894(明治27)年に建てられた木造三層楼は国の重要文化財に指定されている貴重な建築物で、重厚でありながら落ち着いた佇まいは一見の価値あるものです。
館内には「神の湯」と「霊(たま)の湯」の2つの湯があり、湯上りに大きな休憩所もあり、ここでくつろぐと温泉情緒を満喫できます。
温泉はアルカリ性単純泉で、やや熱めの柔らかな湯です。ここは、いまはやりの「立ち寄り湯」のルーツともいえる存在で、110年以上の歴史があります。この温泉を運営しているのは松山市温泉管理事務所で、自治労連組合員が業務に携わっています。
大会期間中も、夏休み最終盤を楽しもうと、連日、全国から観光客が押し寄せ、名物の湯を楽しんでいました。


JAL争議団・社保庁争議団からの訴え

JALの不当解雇撤回を求めて145人がたたかっています。ILOが勧告を出し、日本政府を監視下におきました。みなさんは「ハシズム」と、私たちは「財界ファシズム」とたたかいます。

社保庁争議は、国が525人もの職員の分限免職を行い、年金機構を発足。首切り後、外部から1000人以上の正規職員を雇いました。一刻も早い職場復帰に向け、がんばります。

▲左から愛媛県出身の客室乗務員 大池ひとみさん、林惠美さん、二宮斉子さん/全厚生不当解雇撤回争議団四国争議団長の児島文彦さん

核兵器も原発もない平和な世界の実現を

原水爆禁止2012年世界大会8月4〜6日広島、8月8〜9日長崎

8月4日〜6日広島、8日〜9日長崎で原水爆禁止2012年世界大会が開催され、広島大会には7200人、長崎大会には1700人が参加しました。自治労連は全国から200人以上の代表が参加し、成功のために尽力しました。また、国際会議が8月2日から4日まで広島市で開催されました。


「核兵器禁止条約」の実現へ
ヒロシマ・ナガサキ67年目の夏

被爆67年を迎えた今大会は、2015年NPT再検討会議を前に、核兵器禁止条約の交渉開始を求める運動と世論をどうつくり出すかを焦点に開催されました。
藩基文(パンギムン)国連事務総長が昨年に続いてメッセージを寄せ、代理としてアンゲラ・ケイン国連軍縮問題担当上級代表が出席し、「みなさんは歴史の正しい側に立っています」と激励。世界で核兵器廃絶を国家的に進めているノルウェー、マレーシア、メキシコ、アラブ連盟などの政府代表が多数参加し、国際的世論の高まりを示す大会となりました。同時に日本政府こそ世界の廃絶運動の先頭に立つべきだと痛感しました。
福島県浪江町の馬場有(たもつ)町長は「私たちの生活に核兵器や原発はいりません」と呼びかけ会場はどよめきました。広がる脱原発運動とどう連帯していくのかも、大きなテーマとなりました。

▲住民過半数署名をめざす北海道・七飯(ななえ)町の中宮町長もビデオメッセージで登場した開会総会

▲海外代表・青年参加者が登壇し、岩手県宮古市からの大漁旗が振られた閉会総会フィナーレ

▲「核兵器も原発もいらない」と呼びかける福島県浪江町の馬場有町長

地域ぐるみの運動を広げよう 15地方組織130人が参加

第35回自治体労働者平和のつどいin広島

8月5日、自治労連は広島市内で「第35回自治体労働者平和のつどい」を開催しました。

主催者を代表して柴田英二副委員長は、「自治体首長を含め地域は安全安心と平和へ大きく変わってきている。地域ぐるみの運動で、核兵器廃絶、原発ゼロの運動を広げよう」とあいさつ。
日本大学准教授・日本原水協専門委員の野口邦和さんが講演し、「原発はケタ違いの量の核分裂を継続し、つくり出される放射性物質は莫大、一方核兵器は殺りくが目的で、核分裂は短時間だが、熱線・爆風と長く続く放射能被害だとして、『核燃料処理の未確立』『軍事転用の危険』がある限り、核兵器も原発も容認できない」「25年たっても帰れない地域があることは確実、被災者の事故補償こそ重要」「科学的な放射能の影響の認識を国民的に共有することがいっそうの核兵器廃絶・脱原発の運動の発展にとって重要」と強調しました。
参加者の発言では、長崎自治労連から憲法キャラバンを通じての平和行政、神奈川・横浜市従から平和大会など青年のとりくみ、福島・郡山市職労から除染活動などの報告がありました。

▲「核兵器も原発もなくそう」と確認しあいました

▲「科学的な放射能の認識を」と強調する野口邦和さん

▲広島市役所前での献花行動

さらば「子ども・子育て新システム」

第44回全国保育団体合同研究集会8月18日(土)〜20日(月)in兵庫県神戸市

兵庫自治労連の仲間たちも奮闘

8月18日〜20日、「第44回全国保育団体合同研究集会」が兵庫県神戸市で開催され3日間で参加者は1万人を超えました。初日全体会は、県内各保育園から5歳児300人が勢ぞろい、元気いっぱいの歌声でオープニングを飾りました。渡邊保博・全国実行委員会委員長は「原発設置を阻止した住民運動の経験と、核兵器搭載艦船を神戸港に入港させない非核『神戸方式』を持つ兵庫で、子どもたちの願いに応える保育とは何かを学び合いましょう」とあいさつしました。

集会の基調を学ぶフォーラムが行われ、二宮厚美・神戸大名誉教授は「この集会を『さらば新システム』合研と位置づけ、保育現場を壊し市場化する新システムを葬り去ろう」とのべました。
また、平松知子氏(愛知・けやきの木保育園保育士)は、子ども・保護者の状況と、「保育所の役割として今こそみんなが幸せになれる保育実践をしよう」と訴えました。「東京保育所つくってネットワーク」代表から、足立区で認可保育所を3カ所つくる答弁を引き出した運動や、地元尼崎市から保護者同士での共同保育所づくりの経験が報告されました。
2日目は、43分科会と講座、シンポジウム、開催地特別講座としてべトナムからベトちゃんドクちゃんの主治医・タン医師を迎え、枯葉剤被害の子どもたちを支える平和村のとりくみが報告されました。最終日全体会は、「さようなら原発10万人集会」の呼びかけ人でもある作家・落合恵子さんが記念公演を行いました。参加した東京・江東区公立保育園保育士の内田みどりさんは「新システムをもっと深く学ぼうと来ました。新署名がスタートするのでがんばってとりくみたい」と感想をのべました。
猛暑のなか、兵庫自治労連の仲間たちも会場への道案内や保育など、要員で大奮闘しました。

▲5歳児300人による歌声『子どもたちのうた』で幕開けした「第44回全国保育団体合同研究集会」

▲兵庫自治労連の要員は、交通・会場・保育など120人。芦屋現業労組・中西篤子委員長

▲兵庫自治労連・森栗強委員長

すすむ自治研シリーズ(最終回)

第29回千葉県地方自治研究集会、第11回地方自治研究全国集会

7月号から始まった「すすむ自治研シリーズ」は今回が最終回。「第29回千葉県地方自治研究集会」、そして今月末に迫る「第11回地方自治研究全国集会」の開催地・埼玉県からのメッセージを紹介します。


第29回千葉県地方自治研究集会(7月7日・千葉市)

公務公共の拡充でいのち・くらし最優先の災害対策を
安全・安心のまちづくりへ

県下の全自治体防災調査、液状化被害からの復興などを持ち寄り、7月7日、「第29回千葉県地方自治研究集会」が千葉市内で開催され、20単組117人、未加入単組や県民など全体で152人が参加しました。

基調講演で京都大学の岡田知弘教授は、震災からの復興を口実に構造改革が推し進められていると指摘。大企業による「創造的復興」ではなく、被災地で広がっている住民本位の「人間の復興」への展望が語られました。
岩手・大槌町職の小笠原純一委員長の特別報告では、たった4割の残された職員が「何もない」状況で、強いストレスにさらされ、極限状態のなかで奮闘した生々しい体験が報告されました。
「防災・災害対応のあり方を考える」分科会では、県内各地の防災のとりくみの報告がありました。佐倉市では、あらかじめ地域防災計画で避難所の近隣に居住する職員を開設要員に定め、非常訓練は各配備場所への参集とし、定期的に地域・学校と協力して実践的訓練を積み重ねてきました。こうしたとりくみにより、地震発生後約2時間で24カ所の避難所が開設できたそうです。
合併で市域が広く、海に囲まれた南房総市からは、避難場所の見直し、津波避難ビルを22カ所設定したこと、防災備蓄倉庫の増設、地元を中心とする各団体との災害時協定の拡充、地域での自主防災組織、「防災士」育成への補助などのとりくみが紹介されました。
千葉県職労の環境センター分会からは、地質構造を通じて見た千葉県の大地の成り立ちと、液状化のメカニズムと対応についての報告があり、自治体が自ら地質と防災の研究を行うことの必要性が提言されました。
その後、さらに県内各地でのとりくみや課題、疑問などを出し合い、活発な議論が行われました。

▲開会あいさつをする自治労連千葉県本部の長平弘委員長

▲岩手・大槌町職
小笠原純一委員長

「第11回地方自治研究全国集会」開催せまる(9月29〜30日inさいたま市)

この秋、埼玉で学び合いましょう

夏休みの一日、自治研全国集会のオープニングを飾る現地歓迎行事に登場予定の、秩父(ちちぶ)市「本町子ども太鼓教室」の先生と子どもたちが、演目「秩父屋台囃子(ばやし)」の練習に汗を流していました。
太鼓教室は幼稚園・保育園児から中学生まで約40人。個人宅の駐車場を利用した青空教室で元気に練習しています。地元の祭りでの発表の他に、自治体の介護施設で演奏をしているそうです。
秩父屋台囃子は、「秩父夜祭りの屋台行事と神楽(かぐら)」として国の重要無形文化財に指定されています。特に楽譜のようなものはないそうで、大人から子どもへと伝承で受け継がれてきました。

自由民権思想が運動化された地で

埼玉は、明治の自由民権運動の「最後にして最高の形態」といわれる秩父事件の起きた地でもあります。当時の秩父は絹産業で栄え、にぎわいを見せていましたが、絹の価格暴落が、民衆の怒りの引き金となりました。秩父に自由民権思想が入り、運動化されたのも、絹を中心に人やものが行き交う地にあったからといえます。そんな歴史のある埼玉の地で、現代の地方自治の豊かな実践と悪政への怒りを全国津々浦々から持ち寄り、希望を語り合う自治研全国集会が開催されます。
埼玉では、県内28の運動団体が集まり現地実行委員会を組織して、全国のみなさんを歓迎する準備をすすめています。実行委員会では、さまざまな運動団体が集まるせっかくの機会に、毎回、地方自治をめぐるミニ学習会も開いています。テーマは「消防広域化問題」「維新の会の本質」「埼玉の地域医療の現状」「岩手県葛巻・大槌町の視察報告」などで、「そんな問題があるとは知らなかった」との感想が出されます。共同実行委員会方式ですから、お互いの活動を知り、つながりを作ることも大切にしています。

東日本大震災・原発事故後、初の自治研集会

実行委員長の神谷稔会長は、「今度の自治研集会は東日本大震災・原発事故後初めての集会となります。復興・再生は、経済効率至上主義の大企業の論理ではなく、被災者の立場でなされるべきです。住民が安心してくらせる地域と日本をどうつくっていくのか、ともに語り合い、学び合いましょう」と呼びかけています。
現地実行委員会ニュースの名前は『けやき並木』に決定しました。けやきは埼玉県の「県の木」。大宮氷川神社参道の立派なけやき並木や、北浦和駅から所沢までのびる日本一長いけやき並木など、埼玉はけやき並木が自慢です。勢いよく空に向かって伸びるけやきの姿に、地方自治ののびのびとした成長・発展への願いを重ねています。お手元に届いたら、ご一読いただき、自治研全国集会の宣伝にも役立ててください。みなさん、埼玉でお会いしましょう。

▲オープニングを飾る「秩父屋台囃子」の練習に汗を流す秩父市「本町子ども太鼓教室」の先生と子どもたち

▲埼玉で待ってます
「第11回地方自治研究全国集会」
現地実行委員長
埼玉県社会福祉協議会会長
医療生協さいたま理事長
神谷 稔さん

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