6冊目 バスラの図書館員 イラクで本当にあった話
2018年6月号 Vol.535
6冊目
バスラの図書館員 イラクで本当にあった話
ジャネット・ウィンター 絵と文
バスラはイラク最大の港町で文化都市。2003年のイラク侵攻時に、バスラに戦火が迫ってきた時、一人の図書館司書が本を守った実話を絵本にした作品です。
司書のアリアさんは、蔵書を戦火から避難させるべくバスラ市当局へ訴えますが、相手にされず、一人で本を救うための行動を始めます。3万冊の本を自宅に運んだところで、図書館が空爆され焼失してしまいます。文化を破壊するのも守るのも人間。自由に読書ができる有難さを改めて感じるとともに、その状況を守っていけるのか不安に感じる昨今です。司書として働く自分にとって、この絵本はバイブルとなっています。
晶文社
2006年4月発行
B5判・32頁
定価:1,600円+税