全国の仲間から寄せられた「義援金(被災支援カンパ)」を岩泉町と久慈市へ届ける 自治労連本部・岩手自治労連
自治労連本部は、岩手自治労連とともに11月28日、台風10号により大きな被害を受けた岩泉町と久慈市を訪問、全国の自治労連組織の仲間たちから寄せられた義援金をとどけ、一日も早い復旧と復興のため、自治体労働組合として全力を尽くすことを伝えてきました。自治労連から福島副委員長、岩手自治労連から小野寺委員長、渡辺書記次長がこの行動に参加しました。
【岩泉町】 中居副町長に義援金手交し、懇談。国への強い要望も
県内でも最大の被害となった岩泉町では、多忙な中、中居健一副町長が応対しました。自治労連本部の福島副委員長から「義援金」を渡し、被害の実態と復旧の現状、課題や国などに対する要望などについて懇談しました。この行動には、岩泉町職の佐々木委員長も参加しました。
中居副町長は「何よりも被災された町民の方々が一日も早く日常生活を取り戻すこと。住宅の被害で全壊が400棟以上、大規模半壊も多数。いま全力で『仮設住宅』の建設に力を入れている。中心地の中野には41戸が完成し、すでに入居が始まっている。町内9カ所に新たに260戸、これを来月中に完成、入居できるようにするために全力をあげているところ。また震災の時の小本地区の残っていた『仮設』も修繕をして入居している」と、何よりも被災された住民の方に寄り添った取り組みを強調しました。現在も避難所には86人の町民が避難生活を強いられています。副町長はさらに、「大規模半壊以下は仮設の入居の対象になっておらず、県などと個別の協議を行っている。また在宅避難者が多く、暖房器具の提供は大変心強い」と感謝されました。また、町内の大工が圧倒的に不足していることも話されました。
被害総額が東日本大震災の時の45億円に比べ今回の被害は500億円を超えるとされ、「一般会計が70~80億円の町としては、その復旧費用が莫大で、何度も国や省庁に足を運び要望を重ねている」ことも話されました。そして「例えば被害を確定するための調査費用(農林部分)だけでも2億円以上かかり、これが災害救助法の補助対象外、激甚指定はされているが、大震災の時と比べても省庁の対応は『全国いたるところでの災害の一部』という認識で、自主財源の負担にも限界がある。国に特例措置などを共同して粘り強く訴えていくしかない。」と窮状を訴えました。
これに対して福島副委員長から「自治労連としても省庁要請などを通じて、被災地の実態、行政の努力のことをしっかりと伝え、力になる」と応えました。中居副町長は「役場はそして職員は住民のいのちと暮らしを守ることが仕事。職員には発災直後から役場に泊まり込み、住民の救済のために本当に頑張ってもらっている」と感謝の言葉もされました。そして、東北ブロックや県内単組からの支援で「ファンヒーター」がさらに23台増え、計63台になったことを伝え、最後に、自治労連の仲間は今後も全力で支援することを申し述べ懇談を終えました。
【久慈市】 遠藤譲一市長と懇談、「国の支援」の必要性強調
久慈市では遠藤譲一市長が対応しました。はじめに福島副委員長から義援金を手交すると、市長からは「直後(9月8日)にも来られて義援金をいただいており、本当に感謝申し上げたい」と話されました。遠藤市長は「市内の中心部など2400戸が被害を受けました。特に商店街の被害も大きく、道路の損壊も200カ所以上となった。ごみ(ガレキ)処理にも1年以上はかかる見通し」と災害の復旧にかかる見通しについて話しました。
また国の「縦割り行政」の弊害について、「災害の復旧の費用は各省庁でのメニューとなるが、それでも最後は財務省がカギとなっている。とにかく被災した岩泉町や宮古市、岩手県と手を結んで粘り強く要請をし続けていきたい」と率直に話しました。そして「職員の奮闘には本当に頭の下がる思いである」と述べました。福島副委員長からは「第3次補正予算のこともあり、災害復旧事業、国からの支援を拡大させるためにも被災した自治体が共同して意見をあげていくことが重要となっている。私たちも自治体の労働組合としてこれを支援したい」と話しました。この行動には地元久慈市職労の勝田委員長、外里書記次長も参加しました。