戦争法案の審議入りに抗議する5.26国会前緊急行動
5月26日の戦争法案の本会議審議入りに対して実施された「戦争法案の審議入りに抗議する5.26国会前緊急行動」には、約900人が集まりました。社会科見学に訪れた子どもたちが行きかうなか、「子供たちを戦場には送らせないぞ!」のコールには力がこもりました。
民主党、共産党、社民党の国会議員がこれからの国会審議に向けての決意表明。沖縄県議とともに要請行動のため上京していた5.17沖縄県民大会実行委員会事務局からも激励を受けました。
5月26日(火)午後1時から開かれた衆議院本会議では、中谷防衛大臣が趣旨説明を行い、続いて各党の代表による質疑が行われ、特別委員会に付託されました。
民主党・枝野幹事長は、「国際戦争協力法」だとして徹底審議を要求、維新・太田議員は毎日新聞の世論調査を示して「国民の不安の世論はピークに達している」と夏までの議決に異議を唱え、共産党・志位委員長は、後方支援は兵站であり戦争行為であること、PKO法改定の問題、政府の憲法解釈の変更という「9条破壊の3つの問題点」をあげ、法案の廃案を求めました。自民・稲田政調会長、公明・佐藤議員の質問でも国民の反対の声を反映してか、「不安の声」を紹介するなどの場面もありました。昨年の閣議決定以来の国民の世論を背景にした国会内外のたたかいを通じて、問題点が浮き彫りになり、法案の廃案をめざす展望が見えるものです。
海外派兵自衛官、帰国後に自殺 54人!
27日の特別委員会では、「専守防衛に変わりはない」と安倍首相は答弁しながらも、「わが国と密接な関係にある他国が攻撃を受ければ自衛隊が出動し、集団的自衛権を行使でき、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険、これを防衛するのが専守防衛だ」と答弁しています。また政府は自衛隊員のリスクは増えないとしていますが、アメリカ軍を支援する自衛隊が攻撃をうける可能性を問われて安倍首相は「絶対ないわけではない。その時は一次休止、退避の判断は当然行わなければならない」と答弁。また、「アフガニスタン、イラクの両戦争への派兵任務を経験し、帰国後に自殺した自衛官が2015年3月末時点で54人にのぼることも明らかにされ、共産党・志位委員長は、「『非戦闘地域』がたてまえの活動でも、これだけの若者が犠牲になった。『戦地』派兵でこれをはるかに超える負担と犠牲を強いることになるのは避けがたい」とし、若者を戦場に送るわけにはいかないと追及しました。
二日間のわずかな審議の中でも、矛盾、答弁の食い違い、問題点が続出しています。与党は、衆参でそれぞれ80時間以上の審議時間を確保するため、5月中は27日、28日に総理出席の審議をおこない、29日には一般質疑と、連続開催(9時から17時まで)し、6月からは原則、月・水・金と週3回開催を予定し、6月中には衆議院通過、7月中か8月頭には参議院を通過させ、最後は強行してでも法案成立を狙っています。
自治労連は街頭に出て宣伝行動
戦争法案を阻止するためには世論を高めることが緊急に求められています。自治労連としても、宣伝カーを週2回運行し都内での「流し宣伝」・駅頭宣伝を実施することを決め、5月27日には、中央行動で宣伝カーを使用しない午前中に上野、秋葉原、神保町などで宣伝を実施しました。駅頭での宣伝は短い時間でしたが、声援や署名が次々と寄せられ、戦争法制の審議入りに多くの皆さんが危機感を抱いていることがよくわかりました。
参議院では憲法審査会
5月27日には、参議院での憲法審査会も開催され、改憲派からは、相変わらずの「押付憲法論」「時代にそぐわない」「解釈改憲には限界がある」として、国民の合意を得やすいところから国民投票をして憲法を変える意見が出されました。
一方、「戦争による多くの犠牲のうえにできた憲法が十分に生かされているのかそこに注目すべきであり、憲法審査会の設置目的に照らしても、戦争法制についても議論すべき」との意見。また、「国民は憲法改正を求めていないのに改憲機運を国会が押し付けることになり、国民主権の理念・趣旨に反する」「解釈や立法により憲法を破壊し、その矛盾点を明文改憲によって穴埋めするようなことはあってはならない」との主張もありました。