記録的豪雨、大規模浸水被害の茨城・常総市(鬼怒川決壊地域)の状況
茨城県内の水災害は、水がようやく引いたものの、浸水地域への爪痕は大きく、復旧に向けてようやく動きが始まっています。
平野自治労連中央執行委員が現地視察に入ったのは、14日の午後、茨城自治労連・常総市職労出身の加藤木書記長とともに、常総市・下妻市の被災状況を視察しました。
鬼怒川の決壊だけでなく、支流から水があふれた箇所もあり、常総市内は広域にわたって浸水(約40平方㎞)しました。常総市役所も1階が浸水の被害を受け、市民生活も行政運営も混乱している状況です(組合事務所は2階のため無事)。また、市職員の中にも、被災した方がいますが、その状況もつかみきれていません。
ようやく晴れて水が引き、後かたづけが始まりました。常総市内を通る国道294号線や354号線は、交通集中を避ける車両規制は残っていますが、通行ができるようになりました。しかし、冠水した道路は、乾いた泥が舞い上がる状況です。
インフラについては、電力やガス会社、電話会社など、復旧作業が始まっていました。また、浸水被害を受けた家庭の調査活動も行われていました。ただ、断水地域もあることから、屋外放送では、繰り返し、給水場所の案内がアナウンスされていました。
破堤、越水した水の力は強く、浸水に留まらず、電信柱が倒れた箇所もありました。また、収穫前の稲が水や土砂で倒れていました。
常総市役所は、鬼怒川が決壊した時点では浸水していませんでしたが、みるみる市役所も水が流れ込み、支援に来ていた自衛隊の車両数十両も移動させる間もなく水没するほど、想像を超える水害でした。
今後、災害ボランティアの受け入れに向け、自治労連は茨城自治労連や茨城県労連などと連携をとって、取り組みを準備しています。
[消防職員ネットワークは、素早い対応で復旧支援]
すでに、消防職員が自主的に運営する組織、消防職員ネットワーク(FFN)は、9月12日(土)に支援活動に入り、愛知(豊橋・春日井市)から23人が常総市役所近くの介護保健施設や民家の復旧作業をおこないました。規制や渋滞もあり8時間を超えてようやく到着。
ボランティアの受け入れ体制もまだ整っていない状況での支援行動だったことから、常総市役所のすぐ近くの介護施設にボランティア支援を申し入れたところ、「ありがたい」と歓迎され、すぐに作業に取りかかり、みるみる片付けがすすみました。介護施設を作業中に隣の民家へも協力を申し入れたところ、「ぜひお願いしたい」と民家の清掃作業もおこないました。
消防職員ネットワークは、東日本大震災をはじめ、一昨年と昨年の福知山水害など災害ボランティアの活動にも力を入れています。