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交通分科会が政府3省に要請行動(2019公企評政府要請)

安全・安心なバス事業のため、一刻も早い改善を

 2019年1月19日、公営企業評議会・省庁要請行動の一環として交通分科会が政府3省(国土交通省、厚生労働省、総務省)に要請行動を行いました。交通職場からの要請が始まって今年で5回目となりました。

 今年から公企評・交通部門分科会として、長崎・北九州・横浜・八戸の4単組で要請文を作成し、国交省・厚労省に対して公営バス事業に関する要請書を提出 しました。

 今回も、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準であるはずの「改善基準告示」(以下「告示」)の改正を強く訴え、バス労働者の過酷労働を改善し、住民の安全な交通がまもられるよう要請しました。

 昨年は、「どちらがこの問題に対して責任ある所管なのか?」という要請となったため、今年は、国土交通省と厚生労働省を同席しての要請を求め、会計年度任用職員の関係で総務省も加わり3省が対応しました。

 バス運転業務に従事する労働者にとって切実な要求であるインターバル規制(終業から執行までの時間)が、世界基準のILO勧告では「最低11時間以上」に改善するよう求められているにも関わらず、わずか8時間としてきた国の対応を指摘しました。

睡眠不足が事故の原因に

 最近でも頻繁にバス重大事故が発生する原因の根幹は、改善基準のインターバル規制にあることは「国交省・厚労省も調査の中でわかっていることではないか」と迫りました。

 国交省は、平成29年に行ったバス事業者のアンケート調査で、睡眠時間が5時間以内という乗務員が25%という結果であったこと等を踏まえ「居眠り運転に起因する事故を防止するため平成30年6月に関係省令を改正した」と回答しました。

 しかし、その内容は、旅客自動車運送事業運輸規則の一部改正において、事業者は乗務前等点呼における報告確認、運転者の尊守事項として「睡眠不足により安全運転できないおそれがある」旨を申し出ることとなったが、現場の実情は「運転者が給与減額、人事考課等をおそれて申し出ることができず、実効性の無い改正になっていると」反論しました。公企評は、小手先の運輸規則の改正ではなく「告示」全体の抜本的な改正が急務であることを繰り返し訴えました。

≪改善基準の改善に3年もかかっては遅い≫

 厚労省は「告示」の改正については、「公・労・使と3者において実態を踏まえた議論を重ね、付帯決議で改正に着手します」と初めて前進した回答を得ることができました。

 この回答は公企評・交通部門分科会として5年間で最大の成果ですが「改正には早くて3年がかかる」と厚労省は回答しました。

 公企評は、その3年間にどれほどの犠牲者がでるのかわからないので「一刻も早く「告示」の改正をお願いする」と重ねて要請しました。

≪会計年度任用職員への対応で民間「丸投げ」にならないか≫

 総務省からは、地公法改正にあたり懸念される非正規雇用が2020年3月より会計年度任用職員に移行される中で「フルタイム勤務の方は賞与を地方自治体に支給する要請をしている」と説明がありました。

 公企評は、それは「お願い」であって決定事項ではないので、財政に乏しい地方の自治体が財政不足を理由に民間事業者へ「丸投げ」する事態にならないよう国もしっかりした対応をお願いしたいと訴えました。

 

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