静岡自治労連が「構造改革特区提案」で県へ要請書を提出
1月14日、静岡自治労連(林委員長)は、静岡県の川勝知事に対して「構造改革特区の共同提案」の問題について要請書を提出。経営管理部自治行政課地域主権室長、健康福祉部管理局政策監らが対応しました。
「構造改革特区」については、昨年11月、全国知事会が片山総務大臣に対して保育、医療、福祉など社会保障に関わる施設や運営の最低基準を定める義務付け・枠付けの規制撤廃を要求する「構造改革特区の共同提案」を提出しましたが、そのほとんどが厚労省などから「対応不可」という回答となり、知事会の反論に基づき、構造改革特区推進本部が再度検討を要請しています。
この構造改革特区提案について林委員長は「全ての内容をダメだというつもりはないが、住民福祉よりも自治体の経営を優先し、命をないがしろにするものも多く、断じて許せるものではない」との立場から
①社会保障に関わる基準の引下げをしないこと
②「構造改革特区の共同提案」から脱退すること
③住民福祉の立場から社会保障に関わるナショナルミニマム保障を国に求めること
の3点を求める要請書の趣旨を、特に保育分野の規制緩和を例に出して説明し、申し入れました。
これに対し県側は、「地域主権改革」を推進する立場から「行政の補完性の原理を効果的に発揮するためには、住民に身近な基礎自治体が施策を考えるのがよいと思われる。国としての義務付け、枠付けを外すことが直ちに住民のマイナスになるということは考えていない」と述べました。
林委員長は「『地域主権改革』は、①国の責任を後退させ、②一括交付金など、財源が縮小・不安定になり、③住民自治の拡充が疎かにされており、チェックすべき議会の議員定数の削減など正反対のことが行われている」、「特区については議会制民主主義と相容れない。例えば保育所の死亡事故でも、厚労省の調査でこの5年で認可保育所19件、認可外30件となっているが、認可保育所の数は認可外保育所の10倍だ。最低基準の弾力化が重大な事故につながることは明らかだ」と指摘したのに対し、韮澤室長は「国民の意見をいろいろ聞いて議会のあり方をゼロベースで検討していくと思う」と述べました。