メニュー

7.28中央行動で夏季闘争勝利へ決意固める

 日比谷野外音楽堂で「被災地の復旧・復興を!原発ゼロ、最賃引き上げ、公務員賃金改善、国民本位の財政実現 国民要求実現7・28総決起集会」が開催され、蒸し暑さのなか、官・民さまざまな組合旗が林立。夏季闘争勝利への決意を固める集会となりました。

 主催者あいさつで全労連大黒議長は、「大震災から4か月半が経過した。被災住民の生活再建や、福島原発事故から世界がフクシマを注目している。原発推進勢力に未来を託すわけにはいかない。震災を口実に財界など、構造改革の流れではなく、国民生活を立て直す政治に転換し、最賃引き上げ、公務員賃金引き下げ反対の運動を粘り強くたたかおう」と呼びかけました。

 連帯のあいさつには、日本共産党山下よしき参議院議員が駆けつけ、被災地宮城の調査を通じて、「中小企業の社長が雇用を守って絆をつくろうと努力しているのに、大企業ソニーが期間労働者の雇い止めを平気ですることは許されない」と雇用を守ってこそ復興につながるとあいさつしました。

 全労連小田川事務局長の情勢報告を受け、官民の労働組合・民主団体の代表がたたかいを交流。「被災後ただちに現地へ駆けつけ、救援のために国道の復旧など民間建設労働者とともに奮闘してきた。安心安全な社会を実現することが公務の役割であることが明らかとなった。地域経済を冷え込ませる公務員の賃金引き下げ法案を廃案に追い込むまでたたかう」(国公労連)、「27日に中央最賃審議会の目安額答申が、岩手、宮城、福島などの地域でわずか1円の引き上げにとどまっている。被災者の生活再建には何よりも最低賃金の大幅な引き上げが必要だ」(全労連全国一般)、「アンケートでは、8割を超えて原発廃炉の声となっている。県議会も原発からの脱却の道を歩もうとしている。放射能から子どもを守る取り組みを強め、行動記録運動を始めている。11月初めに全国集会を準備している。全国の仲間の支援を呼びかけたい」(福島県労連)、「港を早く整備して、漁業の再開や水揚げできる港を取り戻し、製造・加工業を復興させ雇用確保を進め、商売できるための復興が求められている」(全商連)。

 閉会のあいさつに立った農民連白石会長は、1500人が集会に参加したことを報告し、「震災からの復興を国の責任で行わせ、構造改革の流れを断ち切り、国民生活の改善を前進させよう」とのべました。

人事院・厚生労働省前要求行動
 伊藤東京地評議長は、「消費低迷、賃下げが景気悪化を招いている。底上げのためにも引き上げが必要だ。公務員賃金を露払いに税と社会保障一体改革を狙っている。断固として、これらを許さない闘いを強めていく」と力強くあいさつ。

 最賃をめぐって全労連伊藤調査局長は、「昨日の中央最低賃金審議会はAランク4円、BCDランク1円というとんでもない答申を行った。平均6円だが生活保護との格差がある9県のうち、5県は解消していない違法状態だ。生活再建のための最低条件である雇用と賃上げこそ優先されるべきだ。中央で目安が出されたからといってこれで終わりではない。地方で声を広げ、引き上げを勝ち取っていこう」と呼びかけました。

 人勧期の情勢について、国公労連上田調査局長は、「賃下げ法案は6月に上程されたがいまだに審議入りさせていない。連動する人勧闘争がますます重要だ。55歳超給与抑制を中止させること、給与構造改革の経過措置を継続させることを重点に闘っていく、高齢期雇用について、生き生きと働き続けられる制度確立を求める」と訴えました。

 神奈川自治労連蓮池書記長は、「神奈川では昨年、最賃が29円引き上げられ818円となったが、生活保護との整合性がとられていない。この実態を県民的に明らかにするために裁判闘争に立ち上がっている。川崎市の公契約条例成立で臨時職員1500人が893円にひきあがった」と発言しました。

財務省・文科省前要求行動
 全労連柴田副議長は、「多くの被災者が避難生活を強いられている。日常生活を取り戻すには、国・自治体の援助が必要。にもかかわらず、復旧・復興を口実として新たに国民に負担を押しつけることは、国民の願いに背を向けるもの。断じて許すことはできない」と政府の姿勢を厳しく追及しました。

 職場・地域からの要求アピールには自治労連を代表して、滋賀自治労連松本委員長が「世論は、原子力からの撤退、自然エネルギーへの転換を望んでいる。福島原発の30㎞圏内を滋賀原発に当てはめると、近畿1400万人の飲み水である琵琶湖の3分の2が避難地域となる。国家公務員の1割カットについて、地方への影響を遮断すると発言した片山総務大臣に対し、野田財務大臣は粛々と行うと言及している。公務員の賃金を引き下げるのではなく、財務省は電源立地交付金を見直せ。原発を造り続けてきた、これまでの財政運営を見直すべきだ。日本の財政の根本的なあり方を問う運動を進めよう」と訴えました。

総務省前要求行動
 全労連公務部会宮垣代表委員は、「菅内閣は震災復興の財源確保を口実に、公務員の賃金削減を打ち出し、米軍への思いやり予算、政党助成金には全く手をつけていない。このことは所得税の増税、消費税増税など新たな国民負担増の露払いにほからならい。公務員の賃金が下がれば、民間の賃金も下がり、国内すべての労働者の賃下げを招いて、よりいっそうデフレを深刻化させる。公務員賃下げではなく、臨時職員を含めた公務公共の拡充こそが今求められている」と呼びかけました。

 職場・地域からの要求アピールには自治労連を代表して岡山県本部清水書記長が「構造改革、市町村合併、集中改革プランなどによって職場は慢性的な人員不足に陥っている。市民から見れば正規職員、非正規職員であろうと、市の職員にはかわりない。仕事に同じ責任をもちながら、違うのは賃金と雇用条件という実態。同一労働同一賃金の原則を公務の職場からつくり、格差をなくしていくことが必要。公務職場からワーキングプアが増大し、自治体の住民サービス低下の道ではなく、住民のいのちや暮らしを守り、そのための人員や予算を国が責任をとるべきだ」と訴えました。

 要求行動後の銀座パレードでは、「最低賃金を大幅に引き上げろ」「原発はいらない」「福島原発事故の収束をはかれ」「被災地の復興を国の責任で行え」など手作りの要求プラカードを掲げ、銀座を歩く人たちに訴えました。