「子どもたちによりよい保育を!11.3大集会」に全国から3500人が集う
「子どもたちによりよい保育を!11・3大集会」が日比谷野外音楽堂で開催され、保育者、保護者、保育関係者らが全国各地から3500人(自治労連は約1000人)が集まり、集会後は銀座パレードを行いアピールしました。翌4日には午前に学習と意思統一の集会を行い、午後から衆院・参院すべての国会議員に「公的保育制度を守り、拡充を」と要請を行いました。
自治労連は、3日の朝から東京・有楽町マリオン前などで宣伝署名を行い、銀座パレード後に「保育・学童保育闘争推進意思統一集会」を開催しました。
「子ども・子育て支援新制度」(以下、「新制度」)は2015年4月から実施されましたが、保育料が3倍に値上げされた保護者が札幌、大阪などで不服申し立てを行う事態や、所沢市では育休に際し上の子が退所となり裁判に訴える事態に、認定こども園になって子どもたちの生活づくりや職場体制で混乱が生じているなど、「新制度」に伴い保育の現場で、様々な混乱が生じています。
こうした下で、保育大集会は、「新制度」実施後の情勢を共有し、公的保育制度の拡充を求めて国会請願署名などの運動をさらに進める決起の場として開催されたものです。その日の夜にはNHKが集会と保育料問題の報道を行うなど、関心を集めました。
有楽町駅周辺・銀座マリオン前で、200名の全国の保育者が宣伝・署名行動
午前10時30分から有楽町銀座マリオン前や有楽町駅周辺で、全国から集まった保育者など200人で、宣伝カーからの訴えや保育チラシ配布、署名活動を行ないました。45分間の取り組みでしたが100筆の署名が集まりました。
11・3大集会、野外音楽堂に3500人が集う ―各地からイキイキと活動報告―
日比谷野音ステージでは、名古屋市職労の若い保育士たちが全国に呼びかけた「HEIWAの鐘」大合唱に、10都府県から100名が集まり、希望あふれる歌声を響かせました。その後、「みんなでつながろう」で会場全体が楽しい雰囲気に包まれました。
集会は、さいたま市職労からの参加者が司会を務めました。開会あいさつを自治労連・高柳副 委員長が主催団体を代表して行い、「安倍政権の新三本の矢は、国民をごまかす欺瞞に満ちたもの。保育料の3倍化などのひどい状況や、待機児童の増大は誰の責任だ!と言いたい」と批判し、「よりよい保育求めて元気にガンバロー」と呼びかけました。
その後、運動交流では、「東京公的保育を守る実行委員会」の代表がバットマンの仮想で登場し「東京都に保育のローカルオプティマムを求めて運動している」と報告。宇部市職労からは、公立保育所の民営化で、反対署名などに保護者とともに立ち上がり、民営化を食い止め、地域の子育てを良くする運動に発展しつつあると報告。大阪吹田市職労からは「新制度」後の学童保育の現状と課題について報告。また、保育士の処遇改善の取り組み(福祉保育労)、ISA・赤ちゃんの急死を考える会からの報告、所沢市の「育休退園」問題(当事者)、保育料問題で異議申し立て(札幌市保育連)、保育の現場で平和のとりくみ(東京)など、様々な実態や活動が報告されました。最後に「集会アピール」を採択し閉会しました。銀座パレードでは、カラフルな横断幕やプラカード、コスチュームで「公的保育制度を守ろう」「認可保育所を増やせ」「公立保育所をなくすな」などの要求をアピールしました。
自治労連の「保育・学童保育闘争推進」意思統一集会に150名参加
パレード終了後15時40分から「自治労連保育・学童保育闘争意思統一集会」を開催し150人が参加。基調報告では、「新制度」で職場が混乱し、公立保育所の民営化や「認定こども園」化が各地に広がっている。そうした下で、①「新制度」の各市町村での状況把握、②民営化・認定こども園化等に対する情報交流と運動強化、③保育内容の維持向上のためにも労働条件改善を進める、④非正規の仲間の組織化や若者のつながりを広げて取り組むことなどが強調されました。
各地からの報告では、大阪市労組からは組合事務所裁判や賃金削減の問題。岡山市職労からは認定こども園化の状況。東京公務公共一般労組からは非正規保育士の取り組み。結城市職は常総市の被災した保育所の状況と若い保育士の取り組み。学童連絡会からは新制度の下での学童指導員の課題を発言しました。討論では、「育休退園」問題(所沢市職労)、待機児対策(三重自治労連)など発言がありました。最後に保育部会長、保育闘争委員の高橋光幸さんの音頭で団結ガンバロ―をして終了しました。
11.4政府・国会要請行動に300名
4日の行動には300名が集まり、情勢学習として藤井伸生氏(京都華頂大学教授)が講演、その後、活動報告として公立保育所の現状と運動の課題について、自治労連として保育闘争委員の高橋さんが報告しました。午後からは、すべての国会議員への要請と内閣府・厚労省との懇談を行いました。15時からはまとめの決起集会を衆議院第二議員会館前で行いました。行動提起と閉会あいさつを保育部会事務局長、保育闘争委員の武藤貴子さんが行い、名古屋市職労からの参加者が音頭を取り、シュプレヒコールをして散会しました。