第24回自治体保育労働者の全国集会in岡山に全国からのべ912名
保育をめぐる現状を学び、運動の「希望・展望」を共有!
2月20日-21日、岡山市内で「第24回自治体保育労働者の全国集会in岡山」が開催されました。全国から組織の違いを超え、のべ912名が参加し、2日間にわたり公的保育制度の現状や全国の取り組みを学び合い、今後の運動の方向性と具体的な取り組みについて意思統一しました。
全体集会
現地、岡山のみなさんによる「うらじゃ」踊りで、全国からの集会参加者を歓迎しました。全国実行委員会を代表して高橋光幸実行委員長、現地実行委員会を代表して鷲尾裕委員長、自治労連本部の高柳京子副委員長があいさつを行ないました。
記念講演
「沈みゆく大国アメリカ~子どもたちの未来を守るために~」と題して、堤未果さん(ジャーナリスト)に講演いただきました。堤さんは、今アメリカで起きているのは日本の3年後の姿だ!とし、アメリカで保育がビジネス化していることが課題。人件費、スペース、食費をカットして利益を生み出すために劣悪な保育環境がつくられている。保育のビジネス化によって保育料が家計を圧迫し、全米の9割が質の低い保育に余儀なくされ、安価な食材による肥満が社会問題になるなど問題が山積している事を指摘しました。日本の保育をアメリカのようにさせないために日本にある公的サービス(保育・医療・介護・福祉・教育など)を守ることが大切だと強調しました。
基調報告
武藤貴子実行委員会事務局長は、安倍政権の「企業主導型保育」は公的保育を崩すものと批判し、公立保育所の廃止・民営化、認定こども園化の攻撃や、保育士不足や過酷な労働条件など保育の中には苦しいことも沢山あるが、みんなの中に「子どもはかわいい、保育は楽しい」の共通した思いがある。保育を守るため頑張って行こうと呼びかけました。具体的な行動提起として、①「子ども・子育て支援新制度」、公的保育制度の改善に向けた運動、②児童福祉法第24条第1項「自治体の保育実施責任」の形骸化を許さず保育制度の拡充求める運動、③公立保育所の認定こども園化・廃止・民営化に反対する運動、④保育の質と保育士の専門性を守り向上させる運動、⑤規制緩和に反対し、保育の専門性を向上させる運動、⑥現業職の雇用を守り、保育労働者の権利と労働条件を改善する運動、⑦非正規保育労働者の組織化と労働条件を向上させる運動、⑧広範な人々や未組織の保育労働者との共同の運動、⑨国民のいのちと暮らしを守る運動を提起しました
特別報告
岡山からは、「見切り発車した『幼保連携認定こども園』に対する取り組みと現状」を、岡山市職労保育園支部が報告。2015年4月に開園した4園の認定こども園から見えてきた問題点を報告し、公私立の幼稚園・保育園等に呼びかけて、立場を越えて意見交流する会を予定している。どの子にも豊かな保育が保障されるように保育者同士がつながりを強め、公的保育を守る運度につなげていきたいと発言。
神奈川、鎌倉市職労からは、「鎌倉で絶対に止める! 鎌倉市政を市民と、働く仲間に取り戻す鎌倉市職労のたたかい」を報告。労使合意を市議会が覆したり、組合事務所を追い出そうとするなどの労働基本権をないがしろにする攻撃を報告し、さまざまな取り組みで市民との共同を広げ、職員が安心して働き続けられる賃金・労働条件と市民の立場に立った市政の両立を目指すと発言し、神奈川の仲間とともにカンパの呼びかけも行いました。
埼玉からは、「埼玉県内の若手保育士が共に学び交流し合うために~若手有志と県本部が取り組んだ1年間~」を、埼玉県本部保育所部会が報告。埼玉県内の保育士たちを繋げたいという若手保育士の熱い想いから生まれたSaitama Lineは、「子どもも大人も豊かに育つために」を狙いとして活動。発足にあたっては予算や各単組・職場への周知など不安はあったが、県本部の全面的な支援のおかけで、よりよい組織になっていることを報告。今後は、繋がりを全国に広げるとともに、その繋がりの力を埼玉県の保育活動にも活かしていきたいと発言。
文化企画「ちくわ笛」の演奏と体験
文化企画ではちくわの生演奏やレンコンやバナナでの演奏が行われ会場も大いに盛り上がりました。
分科会・講座
2日目は、6分科会と2つ講座に分かれてそれぞれの課題を学び合いました。
次期開催地アピール
次期開催地である長野県は、この間、「県自治労連は保育所部会も未結成だが、県下単組の保育所の仲間で、自分たちの組織強化と要求実現につながるなら…」と、みんなで開催を決定。長野県の仲間は、大河ドラマ「真田丸」を意識させる寸劇の中で長野県各地の魅力をアピールしながら、次期全国集会への参加を呼びかけました。