雇い止め阻止!誇りと怒りの大運動Ⅱ12・15院内集会
非正規雇用労働者の誇りを大切に要求実現にむけ世論を広げよう
自治労連は12月15日、衆議院議員会館において、「いっせい雇い止め阻止!誇りと怒りの大運動12.15院内集会」を開催しました。集会に先立ち、午前中、総務省に前日までに本部に届けられた「自治体非正規雇用・公務公共関係労働者にかかわる要求署名」(誇りと怒りの要求署名)約16000筆を提出しました。
はじめに、猿橋書記長が、「すべての自治体非正規、しゃべり場の開催を通じ、雇用の確保や賃金労働条件の改善など、多様な前進が住民要求と相まって進められてきた。公務・民間の闘い、国民生活の闘い、負担すべきは誰か、国民世論を大いに巻き起こし、公務公共の拡充、雇用の安定と大きなうねりをつくりだしてきた。12国民春闘で共同と共感を広げ、闘う労働組合をさらに発展させよう」と主催者あいさつしました。
次に、大場副委員長が「震災時、当初、被災を受けた自治体では、正規労働者の死亡者数が発表されたが、そこには非正規労働者の数は入っておらず、正規労働者の発表の後に時間がたってから非正規労働者の数が発表された。命の価値は同じはずなのに、私たちは命まで差別されている。非正規とは、正規に非らず、まず否定から入る、すこしでも処遇を改善し、一日でも多く働けるように『誇りと怒りの大運動』を元気にとりくんでいきたい」と報告しました。
この院内集会を開催するにあたって、11・10中央行動の際、集会への賛同・参加を呼びかける議員要請を行いましたが、集会には日本共産党の塩川鉄也衆院議員、山下芳生参院議員、田村智子参院議員が参加しました。
山下議員は、「誇りと怒りを結集して見える形にして世論結集をしていく素晴らしい運動、国会でもチャンスを作ってとりくんでいきたい」、塩川議員は、「被災地支援で、自治体労働者の占める割合は高く、大きな役割を担っている。公務公共サービスの在り方をまじめに考えるいい機会になっている」、田村議員は、「パート労働法制定に向けて、全会派でパート議員連盟がつくられたが、官製ワーキングプアをなくしていくために垣根を越えた運動をつくっていきたい」と、あいさつしました。
10都道府県の参加者から実態を告発する発言がありました。(主な発言は以下のとおり)
・「看護助手として任用されたが、危険に対する説明も受けないまま即戦力として働かされたため、薬剤に被ばくしてしまった。10年かかり今年の4月から交通費の支給がはじめられた」(北海道)
・「雇用条件が改悪され有休も保障されず、一方的な時間削減通告もされた。パートだろうが女だろうが、夫がいようがいまいが働きに対する賃金ではないか。低賃金に加え入札制度による不安定な職場と組合活動に対する解雇と闘ってきた。こんな悔しい思いを次の世代に合わせたくないと最賃裁判を闘っている」(神奈川)
・「任期5年で更新できることになっているが、選考試験を受けなければならない。仮に採用されても市で働いていたことがある人は待機期間6ヵ月があり、6ヵ月は失業者になる。非常勤職員の労働実態とのかい離があることがわかってもらえず、退職金も打ち切られた。また経験による加算も一切ない。働きたいという思いを逆手にとられているように思う」(静岡)
・「市史編纂事業は、多くの非正規によって支えられているが、その待遇はほとんど不安定雇用。ボーナスも退職金も交通費も一銭もつかない。忌引きや夏休みもなかったが、今は夏休みと忌引きは改善された。正規職員と同じ仕事をし、毎日サービス残業さえせざるを得ない実態なのに、その給与は新卒職員より安い。経済大国の日本、文化面でのこの待遇はなぜか。人間は生きてきた思いなしでは生きていけない。専門分野での職種の社会的地位の確立がならず非正規で補っている」(愛知)
・「子どもへの虐待は、経験と専門性が必要とされる。虐待するような親は精神不安定なことが多く、常に暴力をうける不安にさらされている。しかし、待遇は劣悪なうえに、市などでは退職再雇用者が何の経験もなく配置されることもある」(京都)
・「ある市では保育士を任期付短時間職員制度で採用しているが、クラス担任を持っている。担任として、行事や父母の対応を行おうとすると週4日勤務では回っていかず、1日は自主的に登所する実態となっている」(大阪)
・「学童や児童館はその職場に嘱託職員しかいない。20年働いても1年目の人と1万円も賃金は変わらない」(広島)
・「愛媛県は、ダムの警備員を時給433円で働かせている。最低賃金の減額特例を悪用したもの。また、監視・断続的労働に従事する者に対する適用除外で休日も休暇も割増賃金を払っていない。これはあるべき最低賃金制度を悪用している」(愛媛)
その後、「いっせい雇い止め阻止!誇りと怒りの大運動」12・15院内集会決議を参加者で確認、衆参の総務・厚生労働委員会理事に対し、自治体で働く非正規職員の現状を訴え、誇りと怒りの運動の趣旨に賛同を求める要請を行いました。