公立・公的424病院の再編・統合阻止へ① 静岡自治労連が県に怒りの声と地域医療の実態を伝える
厚労省が9月26日、公立・公的病院の再編・統合を企図して全国424の病院を名指しで公表した問題に対し、全国で大きな怒りの声が沸き起こっています。
静岡自治労連は、10月25日、県と懇談し、怒りの声と地域医療の実態を伝えました。
富士地区の蒲原病院が「類似かつ近接した病院がある」とされましたが、富士市長も病院長も「蒲原病院は市民にとって必要な病院!」と言いきっています。懇談では、近隣の富士中央病院労組から「蒲原病院が地域の1次救急を担ってくれているので富士中央病院が2次救急を、時には2・5次救急くらいまで担うことができている。蒲原が無くなると富士地区の救急体制が保てなくなる。先日の豪雨の時に富士中病院隣の川の水位が橋寸前にまであがった。豪雨災害の時に小高い所にある蒲原病院は特に重要!」と訴えました。
西部地区の湖西病院では看護職員不足を病院と組合が一緒に増員に向けて頑張っていこうと検討を開始した直後でしたが、「現在湖西病院では分娩できず、出産は浜松か豊橋に出向かなくてはならないので、つい先日の市議会で『湖西病院で産科を再開して欲しい』と要望が上がったばかり。いきなりの発表で市民も職員も動揺している」と伝えると、担当者は大きくうなずきました。
11月6日には、県看護連絡会(静岡自治労連・県医労連・静厚労)として予定していた看護師確保を求める要請でも、424病院問題について懇談。県の担当者は、トップダウンでは再編・統合は行わず、あくまでも当該の自治体の首長とその地域の地域医療構想調整会議での判断に任せると回答しました。
11月22日には厚労省による静岡県内の病院関係者との意見交換会がありましたが、名指しされた病院から「リスト公表があってから来年採用予定の採用者のうち医師の3割、看護師の2割から辞退の連絡があった」、地域の医師からも「このやり方はありえない」など怒りの発言が相次ぎました。