長崎発・嘱託運転士の新型コロナにともなう給与減の100%補償を実現!(長崎公共交通労組)
長崎労働局が地方公営企業についても雇用調整助成金制度の対象となり得るとの判断示す
自治労連長崎公共交通労働組合は、新型コロナ感染拡大防止策の一斉休校でスクールバス乗車業務が無くなり、賃金が3分の1程度まで激減した「嘱託運転士(時給制)の給与減について100%補償」(2020年3月分)を勝ち取りました。
自治労連公営企業評議会に参加する自治労連長崎公共交通労働組合は、長崎自治労連と連携し、長崎県交通局長に対し「労働基準法26条の主旨」や「休業補償に係る総務省通知」に沿った対応(減額分の100%補償)を求め、粘り強く交渉。その結果、7月16日の団体交渉において上記の回答を引き出しました。
昨年3月には15万円だった賃金が5万7千円にも落ち込んだとの組合員の訴えに、長崎自治労連と公共交通労組は、ア)地方公営企業労働関係法、イ)休業補償の関わる総務省通知、ウ)民法の規定、エ)労働基準法26条、オ)雇用調整助成金制度に基づく調査・分析等をすすめ、長崎県交通局と交渉。
6月には交通局が今後の勤務時間確保とともに、「雇用調整助成金の活用について、引き続き労働局とも協議を進めていきたい」との回答。交通局に対し、長崎労働局から地方公営企業も雇用調整助成金制度の対象となり得るとの判断を得られたことを受け、交通局は組合員以外の職員も含めた12名への100%支給(実際に乗務しなかった日数を休業日とみなし、休業補償として100分の100の額を支給)を回答したものです。
・休業手当と雇用調整助成金制度とは・
使用者の責任で労働者が労働できなくなった場合、民法では労働者は休業中の賃金を全額請求できると規定し、労働基準法(26条)では最低生活を保障するため休業手当を平均賃金の6割以上支給することを義務付けています。
雇用調整助成金(新型コロナ特例)制度は、休業手当を支給した事業所を支援するため、国が事業所に補助する制度です。当初、日額の上限が8,330円でしたが、実態にそぐわない上限額の設定に対し、国民的批判が高まり、国のコロナ対策2次補正で15,000円に引き上げられました。