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新型コロナをうけ自治労連が日本看護協会と懇談

 自治労連は8月20日(木)、日本看護協会を訪問し、新型コロナウイルス感染症の事態における医療の役割などについて懇談しました。自治労連からは高柳副委員長、医療部会の奥山副議長(東京)、小泉中央執行委員が参加。日本看護協会は、福井トシ子会長など4人が対応しました。

 自治労連は、新型コロナ拡大期(4月)の自治体病院の職場実態調査の中間集約を紹介。4月、自治体病院ではマスクや防護服等が「足りていなかった」という病院が3分の2に及んでいたこと。また、調査実施時点(7月)においても「備えが十分でない」との回答が4分の3を超えていることなどを伝えました。また、4月は、時間外労働が多く、特に東京・大阪などでは夜勤回数が1か月で最大15~16回にも及ぶなど、増加が顕著だったこと、さらに感染管理認定看護師については、6割以上の人から時間外労働が「大幅にあった」と回答するなど過酷な労働実態について述べました。「今後必要な対策」については、マスク・防護具等や人員の拡充を求める声が圧倒的に多く、また、PCR検査や防疫等作業手当(危険手当)などの拡充を求める声も多数あったことを伝えました。

 高柳副委員長から「看護協会が唯一の職能団体として、厚生労働大臣への要請やマスコミを通じての発信をして、現場の実態を伝えていることは非常に大きい」と述べたのに対し、福井会長は「看護協会は、新型コロナ危機を教訓に、どう発信していくか本気で考えていかなければならない」と話しました。

 医療部会の奥山副議長からは、東京都立病院や各地の自治体病院の状況を報告。「自治体や病院管理者からは(感染リスク回避のため)『どこにも行くな』と言われている。医療従事者はストレスを発散することもできないまま、ひたすらコロナに対応している。患者さんに寄り添いたいと思っているが、感染リスクもあり、これまでのような精神で看護を提供できていないというジレンマもある」と話しました。福井会長は「第一波では使命感のようなもので乗り切れたが、長期化すれば『もうやっていられない』ということにもなりかねない。さまざまな情報を正しく伝えることが大事だ。労働組合はがんばってほしい」と述べました。

 また、「国が、公衆衛生行政も含めて感染症を軽視してきたことが問題だ」との訴えに対し、福井会長は「SARS、MARSが流行り、『保健所機能を強化すべき』という報告が出ていたのに、全くやってこなかった」と指摘。また、「看護協会も感染症の認定看護師を3年間くらいで急いで養成していく。(保健所の)保健師も自分たちを表現することをしてこなかったが、今後は見せ方を工夫していくことが必要だ」と述べました。

 最後に、高柳副委員長が「新型コロナの状況もあり、全国から参加しての懇談は難しいかもしれないが、またこのような懇談の場を設けてください」と述べると、福井会長も「また、お会いできる日は来ます」と応えました。

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