生活困窮者支援政策提言(案)を発表-自治労連・国公労連・全労働の共同で
自治労連、国公労連、全労働は3月1日、記者会見を開き「コロナ危機のもとでの生活に困窮する失業者等を行政が支えるために『住民のいのちとくらしを守りきる』ための提言(案)-雇用・福祉版-」を発表しました。昨年10月の保健所提言、11月の病院提言に続く、コロナ禍における緊急の政策提言の第3弾です。
はじめに国公労連・浅野書記長は「新型コロナウイルス感染拡大のもとで景気が悪化し失業者や生活困窮者が増えている。国・自治体ともに今こそ憲法25条・27条に基づく公的責任の役割発揮が求められている。それぞれの現場の専門性をいかして本提言(案)を三者共同で作成したので発表したい」とあいさつしました。
〈 6つの提言 〉
一.新型コロナウイルス感染症拡大にかかる各種給付金について、すべての国民の生活を支えるものとなるよう、増額・要件緩和などの必要な措置を講じるとともに、徹底した周知を行うこと。さらに、個人事業主や請負・フリーランスなどへの支援を拡充すること。
一.住まいをなくした生活困窮者の実態をつかむとともに、国の責任でただちに安定した住まいを提供する仕組みを構築すること。
一.雇用保険制度について、受給資格要件や所定給付日数、給付制限などを見直し、失業時のセーフティネットとしての機能強化を図ること。
一.生活保護を利用しやすくするための取り組みをさらに強化すること。
一.労働行政や福祉行政について、生活に困窮する失業者等の相談に対応できる人員と予算を確保すること。
一.国と自治体の連携の強化を図り、生活困窮などの相談に対して必要な支援を行っている部署へつなぐ体制を構築すること。
生活困窮者支援政策提言(案)全文はこちらからダウンロードしてください
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長坂副委員長は、初めに6つの提言を示した上で、「福祉事務所などの自治体窓口では体制が不十分で一人一人の個別の状況に寄り添うケースワークができなくなっている実態がある。住民のいのちと暮らしを守る体制の拡充を」と訴えました。
全労働・津川書記長は、「国民の暮らしを守るには各種支援金や給付金の迅速な支給が重要にもかかわらず体制が追い付いていない。従来からもハローワークと福祉事務所は連携しているが、より一層憲法25条・27条をいかし、連携を強化することが重要」と強調しました。
各社からは、具体的な現場の状況について質問があり、「生活保護が急増していないもとで、住居確保給付金の申請が増加した。一方で同給付金の申請の実務のため住民に寄り添った一体的な自立支援が出来なくなっている」などの声を紹介しました。