2021年7月8日
総務大臣 武田 良太 様
新型コロナワクチン接種及び職員の過労死等防止に係る緊急要請書
1.新型コロナワクチン接種に関すること
(1)接種体制の強化及びワクチンの分配・供給に係り、以下の項目に対応をはかること。
① 自治体に対するワクチンの安定的な分配・供給に責任を果たすとともに、正確且つ確実な情報提供に徹すること。
② ワクチンパスポートは、あらたな差別や偏見、不公平を生むことが危惧され、確実な安全を保障するものではないことから、発行は実施しないこと。
③ ワクチン接種体制の構築・強化にあたっては、自治体の自主性を尊重すること。また、それに必要な財源は確実に保障すること。
④ 国として地方公務員(地方公営企業法を全部適用する自治体病院に勤務する職員を含む)にワクチン接種体制の協力を求めるにあたっては、協力する職員に対する安全配慮を念頭に特別な措置を講じること。
(2)一定期間に及ぶことが見込まれるワクチン接種の実施に係り、以下の項目について対応をはかること。
① 接種業務に従事する職員のうち、接種を希望する職員については、優先接種の対象とすること。なお、「服務の取扱い」についても、5月12日「総務省自治行政局公務員部公務員課(事務連絡)」にある「医療従事者等」と同様となるよう対応すること。
② 自治体等が実施する大規模接種や職域接種の実施にかかわり、各部署からの応援及び長期に及ぶ休日・時間外勤務対応が予測されることから、関係するすべての職員の労働安全衛生及び労働条件の確保など、労働関係法令順守は当然のこと、特段の安全配慮義務が徹底されるよう対応すること。
③ 副反応など、客観的かつ正確なデータ・必要な処置に関する周知・啓発を速やかに関係機関と連携して行うこと。
(3)職員のワクチン接種に関わり、以下の項目について対応をはかること。
① 接種の任意性の保障はもとより、「同調圧力」の強要や接種を希望しないものに対する差別的取り扱い、いやがらせ等が生じることのないよう対応すること。
② 業務遂行上、対人接触を避けることが難しく感染リスクが高いとされる職員(例:保育士、学童保育指導員など)についても、(2)①と同様の取り扱いとすること。
③ 全国の自治体病院などにおいて、総務省が発出した通知に沿った「ワクチン接種に関わる職務の取り扱い」が徹底されるよう、「措置の遡及実施」を含め対応をはかること。
2.実効性ある長時間過重労働の是正・過労死防止対策の徹底に関すること
新型コロナ感染対応等、長期化する関係職員の長時間過重労働の是正・過労死防止対策をすすめるため、以下の項目を実施すること。
① いのちと健康を最優先に「過労死ライン」を超える勤務実態を直ちに是正できるよう、必要な対応を行うこと。なお、労働基準法「33条1項」許可基準の厳格な運用や「33条3項」が濫用されないよう対応すること。
② 勤務実態の把握など速やかに実態調査を行うこと。また、調査結果に基づき、自治体等で速やかに安全配慮の徹底が図られるよう対応すること。
③ 速やかに体制拡充に必要な財源措置を講じ、自治体に対し、勤務間インターバルが確保できる体制整備や年度途中での職員採用など、具体的な改善策を講じるよう対応すること。
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