会計年度任用職員の誇りと怒りの声を全国に‼ 3Tアクションアンケート最終集計(第1次分析)・緊急提言を発表
自治労連は11月21日に記者会見を開き、9月末日までに集めたアンケート最終集計の第1次分析の結果とこの間とりまとめた緊急提言を報道機関に公表しました。自治労連本部からは、長坂副委員長、石川書記長、嶋林賃金権利局長、香取中央執行委員の4人、当事者として「埼玉自治体一般労働組合」の保育士の仲間が参加しました。
会見冒頭、長坂副委員長は、総務省において会計年度任用職員に対する勤勉手当の支給が検討されていることや、その一方で依然として「3年目の壁」による「雇い止め」の不安が払しょくされていない現状を踏まえて「アンケートの第1次分析と職場の実態、緊急の提言をお伝えしたい」とあいさつしました。
ほこイカアンケート最終集計(第1次分析)および緊急提言を発表
続いて、嶋林賃金権利局長がほこイカアンケート最終集計の第1次分析について、グラフを示しつつ報告しました。集まったアンケートの数は、最終的に22,401サンプルとなり、中間報告の13,762サンプルから約1.6倍に増加しました。これを単純集計した第1次分析の結果は、中間報告で明らかにした「回答者の8割以上が女性」、「約6割が勤続5年以上」、にもかかわらず「約6割が年収200万円未満」といった傾向とほとんど変わらず、あらためてアンケート結果の正しさが証明されました。第1次分析の報告に続いて、嶋林局長は「【緊急提言】会計年度任用職員の雇用の安定と処遇の改善で安心して、もっと、ずっと、いい仕事を!」を発表し、会計年度任用職員の雇用の安定や、最賃を下回ることすらある低賃金の是正、常勤職員との待遇の均等化など8項目にわたる要求を示し、マスコミ各社にも広く報じて欲しいと訴えました。
保育と医療現場等の会計年度任用職員の不合理な実態を報告
続いて現場の実態について、埼玉の保育士は「2021年4月、民間の労働者は中小企業でも均等待遇を図り、正規非正規の差による不合理な格差を改めるように法改正がされました。しかし、私たち自治体で働く非正規労働者には適用が除外されており、そのため賃金の低さ、処遇の問題からより条件のよい自治体や民間園へ移ってしまう職員も少なくありません。保育の質、自治体全体で担う住民サービスの質を下げないために、また会計年度任用職員が安心してやりがいを持って住民のために働けるように法的にも運用面でも更なる処遇改善が必要だと考えます」と報告しました。香取中央執行委員は「会計年度任用職員制度が始まって3年が経ちましたが、千葉県では一般事務職では今年度、公募が行われ、再度の任用を希望する場合には試験を受けて、合格しなければなりません。看護師などの専門職でも5年ごとに公募が行われることとなっています。なお、一般事務でも『臨時的業務』と位置付けられているにもかかわらず、職場に欠かせない仕事をされている方は数多くいます。こうした会計年度任用職員の多くが退職金などの手当ても無いなか日々働いています。職員の労働条件をひとつでも多く改善していきたい思いです」と職場の実態について報告をおこないました。
最後にまとめとして、石川書記長は、「自治体にとって不可欠な存在であるにもかかわらず、“身分差別”ともいうべき劣悪な処遇のもと雇用されている会計年度任用職員の処遇改善のため、奮闘したい」と決意を述べました。