「国連軍縮週間(10月24日~30日)」の取り組み
日本原水協中央行動、核保有国を含む関係各国大使館への要請行動実施
日本原水協は、国連軍縮週間中央行動として、アメリカなど核保有国を含む関係各国の大使館に「非人道的な核兵器の廃絶をいまこそ」との申し入れ懇談に取り組みました。
[訪問大使館]
・23日:メキシコ・スイス・イギリス各大使館
・24日:中国・アメリカ・キューバ・ロシア・フランス・ベネズエラ各大使館
・25日:オーストリア大使館
このうち、25日のオーストリア大使館への要請に、自治労連から松原中央執行委員が参加しました。
オーストリア大使館では、ヘルベルト・ピッヒラー公使が対応され、なごやかに懇談が行われました。日本に赴任してまだ2か月というピッヒラー公使に、この間の日本原水協としての「核兵器全面禁止のアピール」署名の取り組みや、2015年NPT再検討会議成功に向けての取り組み、また、10月の第68回国連総会への要請行動の内容等について説明しました。その上で、「国連および加盟各国政府への手紙(英文)」を渡して、「核兵器の使用が人道に対する犯罪であることを確認し、核兵器全面禁止のコンセンサスを築き、法的拘束力を持つ“核兵器のない世界の枠組み”として、核兵器禁止条約の交渉を開始することに合意するよう、すべての国の政府代表のみなさんに特別の努力を求めるものです。」との要請を行いました。
これに対してピッヒラー公使は「私の国は、日本原水協の考えと同じです。第68回国連総会で、我が国の大統領がこうした内容の演説を行ったところです。」「むしろNPT再検討会議への進展がゆっくりだと懸念しています。」「我が国は、第2次世界大戦の経験からこの問題への高い関心を持っています。現在原子力発電所のない国であり、核を拒否する考えが国民の中に根強くあります。こうした立場から様々な考えのあるEUの中で調整役を果たしていきたいと考えています。」と述べられました。
松原中執からは、「ご存じの通り、日本政府はこの問題で残念な対応をとり続けていますが、地方自治体では、『非核平和都市宣言』が広がり、1742自治体のうち1170人の首長・副首長が署名する状況になっています。」「自治労連は、1742自治体すべてを訪問し、首長との懇談をすすめる活動に取り組んでいる。」ことなどを報告しました。ピッヒラー公使からは「とても驚いた。よい情報をいただいた。」と歓迎されました。
日本原水協「パネル討論会」
10月25日、日本原水協主催のパネル討論会「被爆者の声と実相を広げ、核兵器禁止条約の実現へ」が都内で開催され、80人が参加しました。
討論会は2部構成で行なわれ、第1部では「被爆者の声と行動」として、被爆者本人、被爆者相談員、被爆二世の方が、それぞれの体験談や課題について語りました。第2部では「被爆者の声を広げ、核兵器をなくそう」として、アニメーション映画監督の有原誠治さんが「大きな爆弾としか理解されていなかった核兵器が長い期間深刻な影響を与え続ける恐ろしい兵 器であることを子どもたちにも理解できる作品をつくりたかった」と、被爆映画を作成した原点や、被爆の実相普及活動などについて思いを語りました。また、全教の長尾ゆり副委員長は、高校生1万人実施した平和教育後のアンケート調査結果を報告しました。中でも「徴兵制」に反対72.5%、「非核三原則の堅持」に賛成82.8%と、多くの高校生が「徴兵制」「核兵器」に対して反対の意見を明確に持っていることが明らかとなりました。
沖縄東村・高江の記録DVD上映会
10月24日から明日の30日までの1週間を「国連軍縮週間」として、国際連合が全世界に「戦争のない世界」の実現に向けて、すべての国が具体的に軍縮に取り組むことが国連から呼びかけられています。
自治労連では、10月29日のお昼休みに沖縄・高江のヘリパット建設反対の取り組みを記録したDVDの上映会を開催し役職員14人が参加しました。DVDを見終わった岡﨑青年部書記長は「住民としての当たり前の権利を権力で押さえつけようという政府のやり方に怒りを覚えた」と感想を寄せ、このDVDを11月4日のおきプロNEXT全国実行委員会でも上映する予定です。
核兵器全面禁止のアピール署名宣伝行動
29日夕方には、核兵器全面禁止のアピール署名宣伝行動を巣鴨駅前にて行いました。雨の中での宣伝のため、30分だけの取り組みとなりましたが、本部役職員12名が参加し、署名11筆を集めました。
松原中執は、「国際連合が全世界に呼びかけている『国連軍縮週間』に日本も呼応して、2012年度まで10年連続で防衛費と言われる軍事費を削減してきたが、昨年自民党が政権に復帰すると、ただちにこの方針が見直され、10年ぶりに400億円もの軍事費増額、2014年度の概算要求では、今年の3倍以上、実に1390億円の軍事費増額を要求した。安倍政権は、軍縮をすすめる世界の流れに真っ向から逆行する軍拡路線を推進し、『戦争のない世界』が目指される中、再び日本を『戦争する国』にしようとしている。今開会中の臨時国会で、『戦争をするためにはどうしても必要な法律』だとして、『特定秘密保護法案』の成立を狙っている。いまこそ、安倍首相、日本政府に対して軍縮を進めようとする世界の国々の努力をみならって、日本も軍縮に進み「戦争をしない国」であることを世界に発信するよう求めて行こう」と訴えました。また、10月21日に第68回国連総会がニューヨークで行われ「核兵器の人道的影響に関する共同声明」が125か国の連名で発表されました。これまで声明に賛同することを拒んできた日本政府は国の内外からの激しい批判の声に、今回の声明にようやく賛同を示しました。しかし、アメリカの核の傘から離脱しない方針を堅持しており、「核廃絶は究極の課題」との立場を変えていません。2015年、広島・長崎の被爆70周年にあたる年に、ニューヨークでNPT再検討会議へ「核兵器をなくそう」という日本国民の圧倒的な声を届けようと署名を呼びかけました。