自治労連公営企業評議会が日本水道協会などと懇談
自治労連公営企業評議会(以下、公企評)は、2 月28 日(金)公営電気事業経営者会議、公益法人日本水道協会、公益法人日本下水道協会との懇談を行ないました。
公企評では住民本位の公営企業の発展を目指す立場から、毎年、各省庁に対して要望書を提出しており、今回は1 月17 日に行われた省庁要請行動の際に国に提出した要望書、国からの回答などを説明、各関係団体が国に対して要望している情報などを意見交換し共通課題についての理解を深めました。
以下、各団体との懇談内容(訪問順)
公営電気事業経営者会議
公営電気事業経営者会議と話し合いの中では、公企評が経済産業省に要請をした内容、それに対して経済産業省の回答を説明、それについて公営電気事業経営者会議としての見解、また、公営電気経営者会議が経済産業省に対して行っている要請内容について説明を受けて意見交換を行ないました。各論については多少の意見の違いもありましたが、主論については同じ思いで日本のエネルギーの展望を考えていることがお互い理解し合えました。そして経営者の立場と組合の立場という、お互い立場は違うものの日本のこれからのエネルギー施策を正常化するために力を合わせ国に要請していこうと確認し合いました。また、公営電気経営者会議からは、認識していてもなかなか経営者の立場としては言いづらい項目もあるが、それは組合の立場として国に要望していって欲しいとの話がありました。加えて経営者会議からは、公企評のこれまでの活動に敬意を表しているし、今後の活動にも期待を寄せているので頑張って欲しいと激励を受けました。今後も頻繁に情報交換と意見交換を行い、私たち公企評のこれからの日本のエネルギー施策を策定していきたいと思います。
日本水道協会
公企評はかねてより厚生労働省、総務省へ「このままでは委託の水準すら判定できなくなる」と訴えてきましたが、日水協との懇談でも「震災対応、危機管理、安全な水を送るという水道の使命が果せなくなる」ことが懇談の中心となり、急激に人員が減少し、収益が落ちていく中で、どう事業を持続させていくのかが水道事業体の課題であり、とりわけ中小事業体では深刻なこととの共通認識でした。
「直接、人の体に入る水道だが、『人災』が起きるのではないかと危惧している。適正な人員配置は必要ではないかと感じている」(日水協)に対して「日々現場にいるので、大都市でも技術力が落ちていくことを実感している。メーカーと局の双方の技術が落ちて人身事故も起きている」(公企評)とのやりとりもありました。
日本下水道協会
私たちの要望内容に対して「協会としても地方公共団体の集合体として、その総意に基づき国などへの要望を行っている。それらの中には公営企業評議会の要望内容と類似の項目もある」との話が出され、下水道事業の現状に対する意見交換が行われました。
公企評としては、急速に下水処理場の委託化が進む中で、自治体が維持管理業務の技術継承はおろか、委託事業者を監督する技術力さえ失われていってしまう状況の改善を先の国土交通省への要望したところ、国交省としては「すべてを包括的に民間委託するのではなく、直営管理の処理場を残すなど、地方自治体に助言する」との回答が初めてあったことを報告。
地方自治体が責任をもって下水道事業を維持管理していくために、直営の維持を下水道協会からも国に働きかけてほしいなど意見交換を行ないました。