2025年をみすえた地域医療を考える緊急学習会
医療三単産(全大教・医労連・自治労連)主催
「2025年をみすえた地域医療を考える緊急学習会」
社会保障プログラム法に基づく第1弾の「医療・介護総合推進法」が強行採決され、社会保障制度を破壊・解体に追い込む「社会保障制度改革推進法」の路線がさらに加速、強行される中、医療三単産(自治労連・全大教・日本医労連)による「2025年をみすえた地域医療を考える緊急学習会」が7月5日、東京・全医労会館で開催されました。
集会には、緊急の呼びかけにもかかわらず会場いっぱいの79人(自治労連からは、31人)の参加があり、高齢化率が30%を超え、全国の多くの地域で入院医療の需要が高まる
「2025年」に向けて着々と進められる医療介護の改悪プランの中身を学ぶとともに今後の運動として医療従事者と地域住民が手を結び、各地の地域医療を守る運動の連携・発展、ネットワークをつくっていくことを確認し合いました。
集会では、全国保険医団体連合会事務局の寺尾正之さんから、「2025年を見据えた地域医療を考える」をテーマに講演がおこなわれ、「QOD(クオリティ・オブ・デス=死の質)を高める」の名による「病院・施設から地域・在宅へ」にはじまる一層の安上がりの医療・介護供給体制づくりのねらいと第2弾、第3弾と続く改悪のプログラムが詳しく報告されました。特に医療分野では、社会保険を「自助の共同化」と規定し、社会保険の公的性格を否定したり、「療養の範囲の適正化」の名のもとに患者の自己負担増による受診抑制が強いられたり、健康・疾病の自己責任の強要、「成長戦略」として再生医療や医薬品等の分野での新しい市場づくりをめざす営利化路線の強化が進められるなど憲法25条を空洞化し、生存権保障としての社会保障の理念とは相いれないものであることが明らかにされました。今後のさらなる医療提供体制の再編に向けて、住民が地域の医療の方向性についてどのように考えているのかそれぞれの地域で医療を守る取り組みを進めている団体・個人が地域住民と共同・連帯し、実態調査と政策提言づくりをいっしょに取り組み、地方自治法第1条にそった「健康なまちづくり」のイメージを共有しあい、発信・拡散していく力の重要性を話されました。
各単産を代表しての職場報告では、自治労連から大阪府立病院機構の田岡康秀さんが大阪府市統合と府市医療戦略会議の問題点について、2008年の橋下知事誕生以来、府市統合本部で議論、進められてきた大阪府市における公立病院改悪の実態と今年1月に出された府市医療戦略会議提言の概要を報告。住吉市民病院廃止反対運動を通じて得られた憲法25条など憲法を生かす運動と、住民とともに共同を広げていくことの大切さが訴えられました。