2014憲法キャラバン 熊本県事務所
熊本県事務所は熊本県労連との共催で7月15日から18日にかけて2市(人吉市・菊池市)、9町(錦町・あさぎり町・湯前町・多良木町・益城町・甲佐町・嘉島町・大津町・菊陽町)、1村(水上村)の12自治体で憲法キャラバンを行いました。1町から町長が、7市町から副町村長が対応し関心の高さがうかがえました。県事務所からはのべ51人が懇談に参加し、自治労連の姿を自治体に示すことができました。集団的自衛権の閣議決定の直後ということもあり、「もっと国民的議論が必要」「解釈の変更だけではなじまない問題」「武力では解決しない。外交努力をすべき」といった積極的な発言がありました。そのほか憲法に関わる幅広い問題で率直な懇談、意見交換ができました。
《懇談要旨》
○あさぎり町(愛甲一典町長)
「憲法改正は論外、集団的自衛権は結論ありきで進められている。やるなら時間をかけて、歯止めもかけてやっていくべき。中国・韓国など近隣諸国と連携し、大人の立場で関係作っていくべき。国民を煽り立てる報道も多く、今の情勢をものすごく心配している。」
「平成の合併で職員は250人になった。多いことを力にする。合併したからしょうがないではなく、よくするしかない。臨時、正規職員にかかわらず幸せになってほしいとの思い」
「原発は反対。長期的にはゼロにすべきだが、当面循環エネルギーにしていく。バイオマスを研究中で採算に合ったら実施したい」
「(TPPに関して)人の体にたとえると、血が隅々まで通っていないとダメ。地方には地方の役割がある。いまの交渉は『これは守ります』の交渉ではなく、矛盾だらけですすんでいる。アメリカに押し切られてはいけない。自然を大事にすることで世界からも人が来る」
○水上村(椎葉和徳副村長)
「集団的自衛権について、自治体の中で賛成、反対は話しづらい。今の立場で申し上げにくいが、慎重にやっていただきたい。村からも自衛隊にたくさんの人が行っている。地方自治もある中で、みなさんの言われていることは分かる。」
「新生児は多いときで20名、人口減の危機感がある。就学後地元に帰ってくるのは1割くらい。また多良木高校の統廃合の話があるが、村からも子どもが多く通学しており心配している」
「道州制は村議会でも反対決議している。合併はメリットが無く単独の方がメリットがある」
○多良木町(久保田善典副町長)
「戦後教育で軍隊から帰ってきた人から『戦争は絶対ダメだ』という教育受けた。その後の教育が少し違ったのではないか。戦争は絶対できない。武力では何も解決しない。集団的自衛権は、日本国民の合意がとれていない。自分たちの命、財産を守るのに日米安保だけでいいのか。孫の世代が戦場に行くことを止めないと。私たちの世代の責任だ」
「限界集落の槻木地区では、定住を条件に集落支援員を1人募集し、他の町村から定住してもらった。支援員の子どものために今年4月から閉校していた学校を7年ぶりに再開した。町長は義務教育は一人でも開校するという立場。『子どもの声を聞いたら元気になった』と地域の高齢者も喜んでいる。今後は定住者をどう増やしていくかが課題」
○大津町(徳永保則副町長)
「集団的自衛権について国は説明責任がある。国の責任を果たしてほしい。解釈の変更だけではなじまない問題ではないか。基本的には時代の要請があれば国民的議論を進めて、明文改憲すればよい。合わないなら変えればいい、そのための大きな議論をすべき」
「国民の生命を守るのは国の役割。社会保障の切り捨てをせず、地方への財政保障をしてほしい。人員減ればサービスもできなくなる。国の借金ある中で、国民負担は大きい。富の再分配をしてほしい。子ども医療費無料化も国・県が補助してほしい」