「第25条をいかし、住民のいのちと暮らしを守る自治体と自治体・公務公共関係労働者の役割を発信しよう!」第19回自治労連社会保障集会を長野県上田市で開催
2015年6月20日(土)から21日(日)に隔年開催の第19回自治労連社会保障集会が長野県上田市内で開催され、全国から158名が参加し、安倍政権の悪政の下で改悪され続ける社会保障分野について、学習・意見交流を行ない、これから運動を進めていくうえでおおきな力になる集会となりました。
20日の全体集会では、高橋彦芳さん(長野県栄村前村長)から「住民による住民のための地域づくり-実践的地方自治の方法論-」と題して記念講演、芝田英昭さん(立教大学教授)から「人間らしく生きるための社会保障とは」と題して基調講演をいただきました。
栄村前村長の高橋彦芳さんの記念講演は、1988年5月の村長就任にあたって提唱した村行政の企画、実行の舞台に直接住民を登場させる「実践的住民自治」の取り組みを語っていただきました。高橋さん自身の村役場の職員としての体験に即して、中央への従属をやめて住民と向き合う村政の視点として「住民の持っている知恵や技を生かして育てる」「地域の実態に沿った政策」「約束や決まりを守り親切で公正にする」など5点を挙げ、「田直し」、「道直し」、「下駄ばきヘルパー」、「雪害対策救助員制度」、「個別合併浄化槽の設置・管理」など住民による住民のための地域づくりの実践を紹介し、これらの実践が実践的住民自治の力で作ってきた広義の社会福祉活動の創造であり、住民のいのちと暮らしを守る自治体の役割を具体化したものであると結ばれました。
基調講演の柴田先生には、社会保障の現状と運動課題についてお話をいただきました。憲法25条の規定は戦後の社会保障の発展に大きく寄与したが、安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を掲げて改憲を主張し、戦争をする国づくりとともに、社会保障を国の責任から国民の自助・自立を基本に改悪を進めている。同時に自己責任による健康志向や社会保障の商品化により企業の儲け拡大に寄与している。「政策としての社会保障」は「国民」と「国家」の力関係によって変化するものであり、「権利としての社会保障」に近づくために国民の運動を強めることが必要であると私たちへの期待を述べられました。
全体集会の最後に、社会保障対策委員会の國貞亮一中執が、憲法改悪を許さず、第25条をいかし、住民のいのちと暮らしを守る自治体と自治体・公務公共関係労働者の役割を発信しよう!の基調報告を行いこの間の取り組みの到達点に確信を持ち、「社会保障と戦争は相いれない-憲法改悪を阻止し、社会保障の拡充で国民のいのちと平和を守ろう」など4つのたたかいの重点課題と具体的な取り組みを提起しました。
21日は3つの分科会と2つの講座、共済議員団の研修会、東海北信ブロックの保育交流集会も行われました。