本日いっせい地方選挙の前半戦として、東京都知事選挙をはじめ12の都道県知事選挙が告示された。また、27日には政令市長、4月1日には道府県議会・政令市議会選挙が告示され、さらに4月17日には後半戦の市区長・議員、19日には町村長・議員選挙が告示される。
この選挙は「異常な大企業中心の政治のゆがみを正し、国民の生活と権利を守る、ルールある経済社会への転換」「アメリカいいなり、日米軍事同盟絶対という外交から抜け出し、沖縄の基地問題の解決」に向けた新しい政治の流れを地方から作り出す政治戦である。
同時にこの選挙は、3月11日に発生した東日本大震災と福島原発事故による被害が、被災地はもちろん全国的に広がるさなかに行われる。2万5千人を超える死者・行方不明者、広範囲にわたる地域・生活基盤の破壊という重大な事態のもとで、今もなお避難生活を続ける25万人以上の住民の生命を守り、暮らしを立て直すとともに、破壊された地域を復興する道筋を、国民的なエネルギーで作り出し、住民が安心して住み、働きつづけることのできる地域・自治体をめざす選挙となる。
自治労連は、東日本大震災が発生した直後から災害対策本部を立ち上げ、政府に対して原発事故への対策や、被災自治体への行政支援の手立てを講じることを要請した。また、被災地住民の救援と、自らも被災しながら昼夜を分かたず住民の生命を守る仕事に従事する、現地の仲間の奮闘を支えるために、全国に当面・被災地支援カンパの取り組みや、自治体当局に対し被災自治体への行政支援の要請に積極的に応えるよう要請する取り組みを提起した。
この提起に応え、この間全国で自治労連の仲間が、職場・街頭で積極的に被災地支援カンパの取り組みをすすめるとともに、自治体当局要請や、当該地方組織による被災地支援の具体的な取り組みが大きく広がっている。こうした取り組みを、この選挙期間を通じても、全国でさらに広げていくことを改めて呼びかける。
同時にこの大震災による莫大な被害は、大規模な地震と津波という自然災害を原因とするものであるとともに、こうした予想されるべき自然災害に対して、コストを最優先し十分な備えと対策を講じてこなかった政治のあり方こそが問われている。とりわけ福島原発の事故の現状は、最悪の人災と言わざるを得ず、当面する国民の安全を守る責任とともに、エネルギー政策そのものの見直しも課題となる。
また、「際限のない公務の民間委託」「市町村合併」「社会保障改悪」「地方分権-地域主権改革」という、自公政治や民主党政治を通じてこの間進められてきた新自由主義的構造改革が、被災者の支援と地域の復興に大きな影を落としている。
被災した地域での生活の確保や地域の復興には莫大な費用が必要とされる。政府が責任を持って、当初予算の組み替えを行うとともに、244兆円もの大企業の内部留保を社会的に還元させる仕組みが求められる。
そして今後二度とこうした悲惨な状況を、日本のどこでも招かないためにも、構造改革の政治を改め、住民の命と暮らし、安全・安心を確保する自治体・公務公共業務を作り上げることが急務となっている。また、こうした自治体・公務公共業務の発展は、「住民のために働きたい」という私たち自治体・公務公共労働者の切実な願いであり、使命である。いっせい地方選挙の重大な意義は、ここにある。
11国民春闘後段の「危機的な状況にある国民・労働者の命と暮らしを守る」たたかいを、公務民間で力を合わせ、住民との共同を広げてすすめるとともに、当面する被災者・被災地域支援の取り組みを全国ですすめよう。そしていっせい地方選挙の今日的な重大な意義を改めて職場から確認し、全国の力を結集してたたかい抜こう。自治体労働者の使命を果たす取り組みを、全国で大きく広げることを呼びかける。