会計年度任用職員に勤勉手当支給可能とする改正法成立 ~3Tアクションをさらに広げ、更なる改善をめざそう(談話)
2023年4月27日
書記長 石川 敏明
4月26日、第211国会参議院本会議において、短時間勤務会計年度任用職員に勤勉手当を支給可能とする地方自治法の改正が、可決成立した。
勤勉手当が支給可能となったことは、会計年度任用職員の処遇改善と安定雇用を求めて自治労連が全国の仲間ととりくんできた「つながる、つづける、たちあがる、誇りと怒りの“3T”アクション」の大きな成果である。地方・単組での当局との交渉、再三にわたる総務省との交渉や申し入れ、ほこイカアンケートによる実態の告発と記者会見、当事者の思いを込めたほこイカ署名などが全国で繰り広げられ、研究者や当事者団体ともつながり、マスコミも会計年度任用職員の劣悪な処遇や雇い止めの問題を度々取り上げるなど、大きな世論を巻き起こしてきた私たちの取り組みの到達である。
また昨年12月23日に総務省は、「給与水準の決定について最低賃金に留意すること」や「再度の任用に際して公募が必須ではないこと」に言及した通知を発出している。これも私たちが問題を指摘し、地方から運動をすすめてきた大きな成果である。
この間、任期の定めのない常勤の地方公務員は度重なる行革等で人員が大幅に削減され、非正規公務員へと置き換えられてきた。もはや非正規公務員も住民のいのち・くらしを守るうえで欠くことのできない存在となっている。非正規公務員の多くは「官製ワーキングプア」と揶揄されるほどの低賃金に置かれており、非正規公務員の約8割が女性である事実は、公務職場における正規・非正規の格差が、すなわちジェンダー問題であることを示している。会計年度任用職員の抜本的な処遇改善と安定雇用は、労働者としての尊厳・人権の問題として直ちに是正されなければならない。国は、2016年の「地方公務員の臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等の在り方に関する研究会報告」で示された「労働者性のある臨時・非常勤は常勤職員と同等の処遇」を、速やかに実現すべきである。
また、2020年の会計年度任用職員制度導入時には、地方財政措置の明示が遅れたことにより、自治体では改善が進まなかった。国は、二度と同じ轍を踏まないよう、確実に処遇改善へとつながる財源措置を早期に示すべきである。
今後、2024年4月の施行に向けて、自治体では条例改正等が進められることとなる。施行日を待たず、法改正の主旨を早期に実現すべく、勤勉手当相当分を期末手当で支給させるなど、処遇改善を求めていこう。休暇制度等の均等待遇や、再度の任用に際しての公募制の廃止などを引き続き求めていこう。3Tアクションの取り組みと到達に大いに確信を持ち、さらに運動を強めよう。そのために仲間を増やそう。
自治労連は引き続き、非正規公務員の安定雇用と処遇改善を通じて、住民のいのち・くらしを守る公務公共体制の拡充に向け、奮闘するものである。
以 上