多くのところで「任意・法定協議会」が設置され、合併の論議が本格化しています。。合併する場合でも、しない場合でも、住民のくらしや地域のあり方を、20~30年先を見すえて、しっかり検討することが大事です。
(1)住民の暮らしはどうなる?
自治体の行政水準は、医療費や介護保険の減額・免除の制度、保育・国保・水道等の公共料金はじめ様々な違いがあります。合併時には、平均的な水準にそろえたり、それぞれの制度を並存させたりしていますが、2~3年後から、「行政改革」として住民負担は増え、行政サービスの切り捨てがおこなわれています。02年4月に合併した、さいたま市(03年5月に政令市)では、行革計画の中で、国保料が全市で引き上げられ、所得200万円の4人世帯で約27万円引き上げられ、5日間で8000件にのぼる問い合わせが殺到しました。
兵庫県篠山市では、公民館の使用料やスクールバス料金の引き上げ、さらに保育所の統廃合(9ケ所を5ケ所に)や小中学校の統廃合などが進められています。また、東京都あきる市でも、国保税・保険料・下水道料金などが年を追って引き上げられています。これらは、合併に伴う支援措置が3~5年で切れることや、合併による将来の財政悪化を見越した動きといえます。
(2)「周辺部」はさびれないか?
篠山市では旧町役場が支所になり、60~70人の職員が9名に削減されています。また、県の外郭団体が行った合併後の住民意識調査では、旧篠山町以外は、各行政分野で「不便になった」との結果が出ています。中山間地域では、自治体の事業や雇用確保が地元経済に大きな影響をもっています。また、地域の実情にあった産業、福祉、医療、学校・保育などの対策が、合併により後退し、中心部に人と財政が流れる傾向がみられます。
(3)住民の声は届きにくくならないか?
町村の多くでは、行政と住民がお互いに「顔が見える」きめ細かい行政が行われています。また、過疎化や少子・高齢化などの問題に対し、住民自治を発揮し、住民と行政が共同して努力することが、今後ますます求められます。しかし、合併でこうした、きめ細かな対応や住民自治が薄れることが考えられます。また、地域の声を行政に反映させる議員の削減も大きな問題です。
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